株価「4万円台」は十分あり得る 専門家が指摘
半導体ブームに乗って日経平均が押し上げられている部分もある
飯田)21~22日のマーケットをみると、AI向け半導体メーカー「エヌビディア」の決算が効いたという指摘もあります。半導体に関してはいかがですか? 村上)日経平均が上がっているのは、この半導体絡みです。半導体関連の銘柄で押し上げられている部分が大きい。もう少し幅広い指数のTOPIXで見ると、日経平均ほどは上がっていないので、半導体ブームに乗って日経平均も押し上げられている部分はあります。AIブームが株式市場で評価され、期待が高いから、このような株高が起きていると考えていいでしょう。
デフレ脱却とともに経済全体が伸び、株価が上がっている
飯田)GDPの数字を見ると、内需はまだまだ奮わないなか、この先の日本経済全体をどう見ていけばいいですか? 村上)確かに最近は回復が鈍っていると思いますが、去年の実質GDPは2%ほど成長しています。ですので、名目GDPが増えているという基調は変わっていないと思います。「株高の恩恵が全体に広がっていない」という議論もあるでしょうが、私からすると「経済全体がデフレ脱却とともに伸びているから、株価が上がっている」という側面があるのではないかと思います。それが外国人を中心に評価されているから、こういった株高が起きていると考えてもいいのではないでしょうか。
経済全体が崩れなければ、年末にかけて「4万円台」は十分あり得る
飯田)今年(2024年)も始まったばかりで難しい質問かも知れませんが、日経平均株価と日本経済は、年末にはどうなると思いますか? 村上)結果的に4万円台に乗るというのはあり得る話です。去年も年間2割以上上がっているので、2年連続で年間2割の株高になるかも知れない。今年は日本銀行が金融政策を変え、これからマイナス金利を解除するでしょう。株高は長期的に見ればトレンドに沿ったいい動きですが、短期的に見ると円安で押し上げられる部分があるので、日本銀行の政策が変わると、為替市場で超円安が少し巻き戻される。それらが現在の勢いを少し抑える感じになると思います。それでも年末にかけ経済全体が崩れなければ、4万円台も十分あり得るのではないでしょうか。