県立大の北キャンパス1号館が完成 学生と地域の交流強化【山口】
県立大(田中マキ子学長)の北キャンパス1号館が完成し、4日に開所式が行われた。キャンパスは国道を挟んで南北に分かれているが、すべての大学機能の移転が完了。新施設を通じて学生と地域の交流を強化し、研究教育機関に留まらず、建学の精神である地域貢献に尽力していく。 1993年から北キャンパスの整備が始まり、96年に看護学科の5、6号館と講堂の1期工事が完了。南北キャンパスで授業が行われてきた。南校舎の老朽化や機能強化を背景に、2期工事整備計画を2011年に作成。14年度から工事に着手し、栄養学科の4号棟と学部共通棟の2号館、国際文化、社会福祉学部の3号館と図書館を順次、整備してきた。21年度に教育・研究機能の移転は完了した。2期工事の総事業費は115億円。 1号館は鉄筋コンクリート造5階建てで延べ床面積は3569平方㍍。南キャンパスの事務機能と地域連携活動を担う地域共生センターを移転し、3号館の子ども家庭ソーシャルワーク教育研究所を集約した。学生と教員の成果発表の場となるギャラリーや動画作成、発信ができるスタジオを新設。ミーティングルームとコワーキングスペースも新たに設置し、学生と地域住民、企業との連携を後押しする。 開所式では関係者によるテープカットで完成を祝った。岡正朗理事長は「この施設を学生と地域で共に運用し、県立大をアピールする拠点になることを期待する」とあいさつ。来賓の村岡嗣政知事は「新しい1号館の機能を十分に活用して、大学の魅力向上を図り、県内で活躍する人材育成と若者定着を推進してほしい」と期待を込めた。 南キャンパスには体育館やテニスコート、学生のサークル棟「有隣館」、グラウンドが残る。県の外郭団体が使用するD館を含む残りの面積2・6㌶の土地は1日付で県に返還した。土地活用の具体的な内容は未定ながら、地元住民からは商業施設誘致の要望が上がっている。