「俺が立浪を救わないといけない」...監督と一蓮托生を誓う男の「漢気発言」
「シーズン途中でも責任を取る」
開幕からのスタートダッシュを決めて、セ・リーグを面白くしている立浪中日。 前編記事『「監督のために野球をやるわけじゃない」…立浪中日を変えたチームリーダーの「アツすぎる一言」』では中心選手の今季に懸ける思いの丈を紹介したが、首脳陣も引けを取らない決意を胸に、今季を戦っている。 【一覧】プロ野球「最も愛された監督ランキング30」最下位は、まさかの… 中日OBが、ここまでの立浪監督の戦いぶりをこう評価する。 「生え抜きスターながら衰えが見え始めている大島洋平を外して三好大倫を抜擢したり、目をかけている田中幹也や村松開人を積極的に起用したり、昨季までは育成を重視して使っていた石川昂弥の調子が上がらないと見るや開幕メンバーから外した。3年契約の最終年で、今年はやりたいようにやっている印象だ。それがうまく回っている。 その裏には『春先からチーム成績がふるわなければ責任を取る』と親しい知人に話しているように、シーズン途中でもユニフォームを脱ぐことを辞さない覚悟がある。補強した面々も中田翔を筆頭に上林誠知、山本泰寛もいい仕事をしている。それに細川成也らも刺激を受けて、相乗効果も生まれている」 そして、傍らに寄り添う片岡篤史ヘッドコーチの存在も欠かせないと、言葉を続ける。
PL学園の名は汚さない
「PL学園の同級生で、なんでもしゃべれる相手がいるというのは立浪にとってありがたいはず。よく食事にも行っていて、ガス抜きもできているんだろう。片岡もPLでキャプテンだった立浪のことは今も一目を置いていて、『俺が立浪を救わないといけない。PLの名を汚したくない』と強く意気込んでいる。 頭がキレて参謀的な役割をするタイプではないが、選手へのにらみをきかせられるし、嫌われ役もいとわない責任感の強さを持っている」 だが、今後の中日を楽観的に見る向きは決して多くはない。混セの主役であり続けるために必要なことは、なにか。 「正直、ここまではほかの5球団のチーム状態の悪さに助けられたところがあることは否めません。中田だって途中でへばるときが来るでしょうし、好投を重ねている涌井秀章もいつまで調子が持続するかわからない。負けが込みだしたら、またゴタゴタが噴出する可能性も否定できない。 とにかくベテランが元気なうちに若手がどれだけ台頭できるか。細川が4番を中田から奪うくらいでないとAクラス入りは望めないでしょう」(中日担当記者) 気持ちで勝てるほどプロは甘くない。それでも昨季までと違うことも確かだ。心は決まっている。「勇龍突進」のスローガンよろしく、勇敢に突き進むしかない。 ・・・・・ 【もっと読む】「今季の立浪監督は違う」...昨季までの「巨人」と「中日」の1軍コーチが語る各球団の「内情」「展望」
週刊現代(講談社)