おひとりさま部屋がある宿で温泉の川に浸る 栃木県・奥那須温泉「大丸温泉旅館」
【連載】楽しいひとり温泉
温泉は自然の恵み。それをとことん実感できる秘湯の宿があります。自然湧出(ゆうしゅつ)する温泉が川となってザーザー流れる場所を棚田のようにせき止めて、湯船ひとつひとつが天然の野天風呂になっているのです。すごい勢いで流れる温泉の川にかかる橋を渡って宿の玄関へ。ぜいたくな自然の恵みを思う存分楽しめる夢のような秘湯です。この奥那須温泉・大丸(おおまる)温泉旅館(栃木県那須町)に、ひとり宿泊の部屋ができたのでさっそく泊まりに行きました。 【画像】もっと写真を見る(15枚) ■連載「楽しいひとり温泉」は、国内外の温泉をめぐり、温泉・自然・食で美しくなる旅を研究する筆者が、テーマごとにひとり温泉にぴったりなお宿を紹介します。
自然湧出する温泉が川になって流れている
山からとめどなくあふれ出る自然湧出の温泉を1段、2段、3段、4段とせき止めて、それぞれが露天風呂になっています。最上流「山ゆりの湯」は女性専用として仕切られており、その先3段は混浴露天風呂で、専用の湯あみ着が用意され、男女それぞれの内湯から入ることができます。 山に刺した竹筒から源泉がかけ流され、玉砂利ひとつひとつの紋様まで見えるほどの清らかな透明度です。青空の下で生まれたての湯につかれば、体の細胞のひとつひとつが洗われていくような気持ちになります。 女性専用ゾーンにあるもうひとつの露天風呂「石楠花(しゃくなげ)の湯」は、深くてたっぷりの湯船。新鮮な湯の、きめ細かな滑らかさをより感じることができました。 那須御用邸へも引かれている桜の湯源泉と、山からあふれ出る川の湯源泉を駆使して適温に調整し、露天風呂も内湯もザーザーと流れ出るほどかけ流し。泉質は単純温泉で、自律神経を整えて心地よい眠りへ導く癒やしの湯。桜の湯源泉は、肌へ潤いを運ぶ「メタけい酸」を319mg/kgも含有する美肌の味方でもあります。
365日ひとりで泊まれる部屋がある
和室を改装してクイーンサイズのベッドをしつらえた、おひとりさま部屋が4室あります。窓辺の椅子からは標高1,300mから見渡す那須高原の街や時には雲海が眺められます。 部屋には、旅ごころをそそる書斎デスクがあります。Wi-Fiも完備で、いざとなればちょっと仕事もできちゃいますが、今日は全てを忘れて、ここにしかない温泉を楽しみたいと思います。