スピードスケート・森重航らが来季は個別強化を選択 ナショナルチームは規模縮小も強化部長「心強い」
日本スケート連盟は24日、2024年度のスピードスケート強化選手を発表した。 昨季から様変わりしたのは、ナショナルチーム(NT)だ。所属する選手は3人減の8人となった。男子で北京五輪500メートル銅メダルの森重航、1000メートル日本記録保持者の野々村太陽、中距離で活躍する山田将矢、和哉の兄弟、1万メートルの日本記録を持つ土屋良輔ら、多くの有力選手がNTを離れることが決まった。 2季前には高木美帆、昨季は佐藤綾乃、村上右磨、一戸誠太郎らが同様にNTを離れ、個別強化の道を選択している。一時は20人を超える大所帯だったNTが規模縮小の流れにあることについて、湯田淳スピード強化部長は「今入っていない選手も、NTで強くなった。僕は卒業というふうに考えている。自分の課題に特化して、進む道を自分で切り開いていきたいという意志を持って今回入らないという回答をした選手が何名もいた。非常に心強い」との見解を示した。 NTは14年ソチ五輪でのメダル0の惨敗を受け、翌シーズンから所属の垣根を越えた強化チームとして結成された。当時も強化を担当していた湯田氏は「10年前は集まらないと、とても戦えないと思った。NTに集めて、質の良いトレーニングをしてみんなで上がっていこうという時期だった」と振り返った。 その後、18年平昌と22年北京の両五輪で日本勢が活躍。湯田氏は個人種目で世界と戦える選手が増えたことが“NT離れ”につながったと分析し、前向きな変化と受け止めた。一方で女子が平昌で金、北京で銀メダルを獲得してきた団体追い抜き(パシュート)については、チームで連係を高める時間が欠かせない。昨季はNT以外の選手も含めたパシュート合宿などを試みたが、湯田氏は強化の方向性について「ここは悩ましい。まだ答えは見えていない」と検討課題とした。
報知新聞社