走る精密機械! MC22型CBR250RRは1万9000rpmまで回る驚異の高回転エンジンを搭載【日本の名車】
ホンダ本社に展示してあったCBR250RRをご紹介! 超高回転&高出力を追求した250cc並列4気筒エンジンはレッドゾーンを1万9000rpmに設定。甲高いレーシーなエキゾーストノートは多くのライダーを魅了した。 【ギャラリー】MC22型CBR250RRのスタイルやディテール (11枚)
1986年のCBR250フォアからたった4年でここまで進化した
1990年に発売されたCBR250RRの並列4気筒エンジンは、1986年のMC14型CBR250FOUR(フォア)に搭載されたのが最初になる。 CBR250フォアは、1985年にデビューしたヤマハのFZ250フェーザーに端を発する本格的な250ccクラスのスーパースポーツブームに向けて、CBRシリーズの末弟モデルとして開発された。高性能な並列4気筒エンジンをアルミツインチューブフレームに搭載し、ビギナーからベテランまで幅広いユーザー層から絶大な人気を獲得した。 エンジンは、カムシャフトをクランクシャフトから歯車を介して駆動するカムギアトレーンの採用により、高速回転域(レッドゾーンは1万7000rpm)まで正確にバルブを駆動できるようにし、同時にフリクションロスの低減を図っていた。 これが翌1987年にはMC17型CBR250Rに進化し、吸排気バルブの大径化と細軸化(4mm→3.5mm)などで出力向上を果たした(スペックは45PSで変わらず)。また、ピストンピン、クランクシャフトなどの軽量化により、レッドゾーンを1万8000rpmに向上させている。 さらに1988年型のMC19型CBR250Rを経て、1990年のMC22型CBR250RRは、動弁系の徹底的な改良、高回転エンジン用に新たに開発した高強度コネクティングロッドボルトや高強度バルブスプリングの採用などにより、レッドゾーンは驚異の1万9000rpmに達したのだ。
LCGフレームやガルアームの採用でシャーシも大幅に進化
MC22型は、「高次元ヒューマン・フィッティング」をキーワードに、エンジンや足まわり、フレームなどを全面的に見直した。フレーム自体の重心を低くし、マスの集中化を徹底的に追求したアルミ製LCG(Low Center of Gravity=低重心)ツインチューブフレームを採用したのが最大の特徴だ。 リアには、高い剛性を確保しながらテールパイプを効率よくレイアウトできる新形状の新形状のスイングアーム「ガルアーム」を採用。フロントはフローティング式ダブルディスクブレーキを採用するなど、足まわりもさらに充実させている。
1990年型CBR250RR主要諸元
・全長×全幅×全高:1975×675×1080mm ・ホイールベース:1345mm ・シート高:725mm ・車重:157kg ・エンジン:水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 249cc ・最高出力:45PS/15000rpm ・最大トルク:2.5㎏-m/12000rpm ・燃料タンク容量:13L ・変速機:6段リターン ・ブレーキ:F=Wディスク、R=ディスク ・タイヤ:F=110/70R17、R=140/60R17 ・当時価格:59万9000円
市本行平