津波への備え考える 91人が防災ミーティング 館山(千葉県)
災害対応力強化や防災意識向上を目的に館山市は20日、「市防災ミーティング」を市コミュニティセンターで開いた。「津波防災」をテーマに行われ、地域の自主防災会などの91人が、講義やワークショップ(WS)で発災時の行動について考えた。 南海トラフ地震など大地震の発生が懸念される中、地震による津波などからどうやって身を守るか、日ごろの備えを地域で考えるきっかけにしてもらおうと、市では令和元年から市防災ミーティングを行っている。 今回は、防災意識向上プロジェクトの語り部による講演と、大学教授の講座の2部構成で行われた。 1部では、仙台市地域防災リーダーの菅野澄枝氏が講演。地域の自主防災組織としての活動を紹介した。 2部では、沿岸域での防災を研究している日本大学の星上幸良教授による「津波災害に備えよう」と題した講座が展開された。 星上教授は冒頭、元日に最大震度7を観測した能登半島地震について、海岸付近の3つの断層による地震で、約150キロにわたり断層がずれたと解説。 被害の特徴として、耐震性の低い木造家屋が多く倒壊し、密集地域では倒壊家屋から出火し、約200棟が延焼。死者は家屋の倒壊による圧死が大半。また、急斜面の地滑り、液状化による孤立地域の発生や交通路・電気・水などインフラ遮断が発生した。津波は、最短2分で到着し、最大浸水深は4メートルだったと講じた。 今回の被害を踏まえ「避難路が無事とは限らない。津波から5分以内に避難できますか」と強調した上で、「自分の命は自分で守る。津波から身を守るためには、ハザードマップなどを用いて避難経路などを、事前に確認しておくことが重要」と話した。 その後、各地域に分かれて自主避難計画作成のWSが行われ、参加者らは発災時の行動について議論していた。 館山市館野地区の60代男性は「能登半島地震のこともあり、地域防災について理解を深めるいい機会になった」と話していた。