【鉄ドル・伊藤桃　“ぐう渋”居酒屋の旅】 きらびやかで、どこか異国の地のような東京・六本木。時刻は２０時前、すれちがうはきれいなお姉さんばかり。そんな街の〝ぐう渋〟なお店が芋洗坂で３３年たたずむ「まつもと」さんです。 こぢんまりとした店内にはカウンターとテーブル席があり、今回はテーブル席へ。さすが六本木、お隣は外国の方でしたが、きちんと英語表記のメニューもあります。壁にもメニューが貼られ、本日のお勧めメニューは黒板で。なじみ深い居酒屋の雰囲気に、ほっと心がほどけました。 お値段もサワー、ハイボール、焼酎類は５００円以下。日本酒も「菊正」は１合４３０円、「立山」「酔鯨」「浦霞」など日本酒好きならぐっとくるラインアップもほぼ１合７７０円とリーズナブル。こちらもほっと安心します。 お食事メニューも看板に「家庭料理」とある通り一通りそろっていました。その中でいただいたのは、ほっこりほくほくな肉じゃが、宮崎直送の地鶏レバ刺し、ボリュームたっぷりのウインナー炒め、そして菜の花のお浸し。どれも丹精込めた手作りの味がたまらない。山形産「つや姫」を使ったご飯とおみそ汁、小鉢がついた定食セットにもできて、ランチ営業さらに深夜営業もあるので、ご近所の方にとっても貴重な一軒ではないでしょうか。 なにもかもがきらめいてみえるこの街で、ほっと一息つけるお店に出会えた夜でした。 「まつもと」は東京都港区六本木５の９の１７（０３・３４０５・５１６６）。 ■伊藤桃（いとう・もも）　鉄道アイドル、タレント。３月１１日生まれ、青森県出身。青山学院大学文学部卒業。ＪＲ全線完乗した乗り鉄。渋い居酒屋めぐりも趣味。ＦＭ狛江「伊藤桃の小田急全駅ものがたり」（毎月第３、５日曜）に出演。ヴィレッジヴァンガードサイトでコラム連載中。著書に「小田急全駅ものがたり」「桃のふわり鉄道旅」。頑張る居酒屋をインスタグラム（https://www.instagram.com/itomomo_izakaya/）でも応援中だ。