オスカー俳優を“本気”にさせた映画『ゴールド/金塊の行方』とは?
北朝鮮情勢の影響で「有事の金」に注目が集まっている。現在までに、採掘された金の量は14~15万トン。これから採掘されるであろう金の地下埋蔵量は、6~7万トン程度(競技用プール約1杯分)といわれています。1995年、その貴重な金をめぐり北米経済界と証券市場に大きな打撃を与えたBre-X(ブリ・エックス)鉱山事件。同事件をベースに時代設定を80年代に変え、誕生した映画『ゴールド/金塊の行方』が6月1日公開される。
ひらめきと野望、友情そしてサスペンス
祖父の代から続く鉱山ビジネスに失敗し、破産寸前に追い込まれた主人公ケニー・ウェルス(マシュー・マコノヒー)が財産の全てをつぎ込み、落ちぶれた地質学者マイケル・アコスタ(エドガー・ラミレス)を誘って、インドネシアで巨大金鉱を掘り当てることに成功する。その後、どん底だったケニーの会社は、上昇気流の波に乗る。 ビジネスのひらめきと野望、友情に加えてサスペンス。一夜にして消えた170億ドル相当の黄金の行方はいかに? 随所に張り巡らされた伏線に気づかないでいると衝撃の結末はただただ呆気にとられて終わるだけだ。
オスカー俳優マコノヒーを“本気”にさせた脚本
同作の脚本にほれ込んだマコノヒーは「自分がやらなきゃと感じる数少ない脚本のひとつだった」と話す。ほかの映画のスケジュールが詰まっていたが、監督の決定や制作にも関わりたくて、主演かつプロデューサーとして同作に参加を希望した。 まず、驚くべきはマコノヒーの容姿だ。ハゲ頭にでっぷりとだらしなくたるんだ腹で、全裸や小汚いブリーフ姿をさらす。これは本人が考えるケニー像に近づけた肉体改造の結果だという。体重を過去最高の約95キロまで増量し、ハゲ頭のカツラがよりフィットしやすいように髪を剃り、曲がった人工歯も差し込んだ。これだけでも本気度が十分うかがえる。 金の採掘現場はタイ南部のジャングルで撮影された。何かの作品で使いまわされた場所でない場所を追求したという。ウォール街の証券市場などのセットのほか、80年代の空気感を風景や美術衣装で見事なまでに再現し、リアリティーを呼び起こすという、かなり豪華な作品となっている。細部にまでこだわり、オスカー俳優を本気にさせる、これから観たいハリウッド映画はこんな作品だと思わせてくれる。
【 ゴールド /金塊の行方】 公開:6月1日(木)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー 提供:東北新社、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント / STAR CHANNEL MOVIES