富士山ローソンだけじゃない!500人に聞いた「迷惑系インバウンド」の目にあまる行動
欧米人は大きな声で話すことが迷惑だと考えていない
こうした不満を解消するためにも、ひとまずゴミ箱の設置数を増やすといったことはしてほしいものだ。 「電車の中でも大きな声で話すのでうるさい」(東京都・58歳・男性) 「雨の日に傘を差さない。かなり濡れた状態で、電車に乗ってきたりする」(大阪府・50歳・女性) こうした意見に、クレシーニさんは「私もそう思う」と苦笑しつつ、「どうしても文化の違いは表れてしまう」と続ける。 「欧米人は大きな声で話すことが、迷惑だと考えていないんですね。そのため、日本人に不快なイメージを与えているとは思っていない。また、傘を差さないというのも欧米では“あるある”です。特に、アメリカは車社会なので、傘は必要としないし、電車にもあまり乗らない。その癖が染みついている」(クレシーニさん) 確かに、本人にその気がなくても、ここ日本では不快な行為に映ってしまうこともあるだろう。「ずうずうしい」「まったく日本語を話そうとしない」といった意見も多く寄せられたが、本人たちはいたって普通にしているだけかもしれない。 「円安という状況も大きい。ひと昔前なら、日本に来るインバウンドは、日本が好き、日本の文化に関心がある人が多かった。そのため、訪日するうえで最低限のマナーや言葉を覚えてきたと思います。しかし、今は円安ですから『日本は安いから行ってみるか』といった単純な理由だけで訪れる観光客が多数いる。そうした人たちに、多くを求めるのは酷ともいえる」(クレシーニさん) 円安の副作用は、こんな意見にも表れている。 「私はラーメン店を経営しているのですが、1杯1000円前後のラーメン価格が安いと思われるみたいで。あちらでは1杯2000~3000円するから、少量の麺しか入っていないと勘違いして、大盛りや特盛りを頼む。結果、食べ残すといったことが珍しくない。こういうギャップにどう対応したらいいのか迷ってしまう」(福岡県・38歳・男性) 過去最高を記録するといわれるインバウンドだが、実はまだまだ伸びる可能性がある。かつて“爆買い”といった言葉を生み出した、団体の中国人観光客が戻ってきていないからだ。日本と中国のマーケティングを中心に事業展開するクロスボーダーネクスト・CEOの何暁霞(カ・ギョウカ)さんが説明する。 「現在、中国はビザの発行を厳しく規制しており、収入(納税額)が一定額を超えていないと認めないといったルールがあります。爆買いの時代は、もっと緩和されていました。また、中国政府は内需を拡大することに重きを置いているため、海外旅行よりも国内旅行を推奨しているといった事情もあります」