【訃報】沖縄戦研究に尽力 吉浜忍さん(74)死去
沖縄戦研究者で元沖縄国際大学教授の吉浜忍さんが亡くなりました。74歳でした。 吉浜忍さんは1949年伊良部島生まれ。高校の社会科教諭を経て沖縄国際大学に勤め、42年間にわたり教育に尽力してきました。 【写真を見る】【訃報】沖縄戦研究に尽力 吉浜忍さん(74)死去 大学教員時代は日本の大学で初めて「沖縄戦」の科目をつくり、戦争体験の継承や平和教育の大切さを伝えてきました。 吉浜忍さん 「自ら足を運んで掘り起こしてしか地域のことはわからない。本当にそれを知りたい。沖縄戦って何だろうというのをつかみたい。つまり全体の沖縄戦だけじゃなくて、地域で何が起こったのかきちっと押さえたい」 沖縄戦の体験者がいなくなる将来を見据えて長年、手がけてきたのが沖縄戦に関する県史や市町村史の編さんです。 体験を聞き取り、史実と照らし合わせ、まとめた市町村史は11冊。ほかにも執筆で関わった本は数多くあります。 近年は自身のあとを担う若い研究者の育成にも力を注いできました。 吉浜忍さん 「研究室で論文を書くのは特に沖縄戦はいけない。地域に入って、地域の人たちとどう(地域史を)つくっていくかが非常に大事。そうしないと生きた地域史にはならないし、自分の歩んできた道は間違いではなかったなと思っていますね」 吉浜さんは自宅で倒れているところを家族が見つけたということです。 沖縄戦と沖縄の未来に向き合い続けた74年の生涯でした。 吉浜さんは生前、書き残した地域史が本だなで眠ることなく、教育現場で活用され「生きたものになる」ことを願っていました。
琉球放送