【クラシックカー探訪】一家に一台! イケオジ最良のモテ車はつつましくカワイイ英国車
異文化根付く九州エリアはヴィンテージカーの宝庫だ
大人の趣味車を求めいざ九州へ。前編のドイツ車特集に続き今回はその後編となる英国車編をお届け。うかがったのは「日常お乗り頂けるヴィンテージ・カー専門店」をコンセプトに掲げる「ヴィンテージカーVISCO」さん。 この記事の他の画像を見る 店頭に並ぶストック車両は、乗り出せるコンディションに仕上げてからFor Saleとなるそうな。とはいえ、仕上げ前のレア車両も少し見せていただきましたのでご注目ください。
さて、英国車編です。欧州は従前たる階級社会ですが、成層圏に位置するロールス・ロイス、ベントレー、アストンマーティンでさえクラシックモデルはつつましさが備わります。雲の中のジャガーやロータス、そしてレンジローバーも同様。オースチンやモーリス、ライレー、ウーズレーといた小型車も凛とした気品が感じられるから不思議です。
昨今のクラシックカーブームも手伝って底値自体が上昇した影響もあり、かつてのような爆弾級個体もキッチリ健康体へと転生。もはや趣味人が庭先でイジイジできるような個体はなかなか流通していません……というより、皆さん時を惜しむようにスグ乗れる個体を求められているようです。
取材当日、店頭にあった比較的手が出しやすい個体は、オースティンとライレーあたりでしょうかこれらの多くは「ひとりのコレクターの方からお譲りいただきました」とのことで、それでもだいぶ売れてしまったそうですが、ヒストリーを聞いているだけで楽しい気持ちになります。本格的なクラシックカーラリーに参加可能なMGAもいい感じのお値段。
入庫済みですが仕上げ前という個体も見せていただきました。ジャガーEタイプ(シリーズ1の4.2L直6)は塗装が仕上がった状態。これからメカニカルな部分を点検・調整し各種部品の組付けを行い店頭に並ぶことに。
もう1台はレアなフェラーリ208GT4です。入庫の経緯をうかがうと「個人輸入されたコレクター様が手放したいとのことでご縁をいただきました」といいます。仕上げ中に力尽きたのか、それとも気持ちの変化なのか、ベース車のコンディションは良く、キッチリ仕上がる個体だとお見受けしました。コレまた楽しみですね。
九州地方って著名なコレクターさんがいる一方で、ヴィンテージカー専門店の看板を掲げるお店が少ない地域。自動車趣味人が集う場所といえばメンテナンスガレージがその中心でした。ちなみにVISCOさんは地元商店街とコラボした展示型イベント『CLASSIC CAR STREET KUROSAKI」を行うなど、いまでは他の地域からお声がかかることもあるといいます。今後とも九州エリアを盛り上げてくださいね! Text by Seiichi Norishige(中年B) Shot & Edited by Shigetaka Kida(M.at)