「ウソ休業」の場合は“倍返し” 休業事業者への協力金―東京都
緊急事態宣言に基づいて発した休業要請に協力した中小事業者に対し、東京都が最大100万円を支給する「感染拡大防止協力金」の支給が始まっています。資金繰りは事業の継続に直結するため、4月22日の受付の開始後、申請数は瞬く間に数万件規模に上りました。膨大な数の申請と支給がなされる同事業ですが、どのような手続きを踏むものなのでしょうか? また、虚偽の申請による給付が行われた場合にはどのような措置がとられるのでしょうか?
1店舗なら50万、2店舗なら100万円
感染拡大防止協力金を申請できるのは、都から休業や営業時間の短縮の要請を受けた施設を運営する中小企業および個人事業主のうち、「要請に全面的に協力」(小池百合子知事)した事業者らです。休業・営業短縮への協力が必要な期間は、4月16日から5月6日までのすべての日。支給金額は都内に1店舗を有する場合は50万円、2店舗以上の場合は100万円です。本社が東京になくても支給対象になります。 受付期間は、4月22日から6月15日まで。申請は、オンラインでもできるほか、郵送も受け付けています。都の産業労働局の担当者は「当初は書類の不備が目立つ申請や、自転車販売業、家具販売業など支給対象外の事業者からの申請も目に付きましたが、現在はそうした申請はごく少なくなっています」と語ります。
休業どう確認? 虚偽の場合は?
膨大な数の申請がなされるなか、全面的に協力しているか否かはどう確認するのでしょうか。
都の担当者は、休業を告知するホームページや店頭ポスター、チラシ、ダイレクトメール(DM)など、営業状況が分かる資料を事業者から提出してもらい、それをもとに判断すると言います。不審な申請の場合には直接電話して確認することもあり、「たとえば休業期間が『当面の間』と書かれていた場合、具体的に何月何日から何月何日までなのかを問い合わせるなど、1件ごとに丁寧に審査を進めています」とのことです。 では、休業や営業時間短縮がウソだった場合はどうなるのか。事業者は申請する際に、虚偽の申請で受給した場合は支給額の返還に加えて、支給額と同額の違約金を支払うことが記された誓約書も提出しています。50万円の虚偽受給の場合は、違約金を含めた100万円、100万円の場合は200万円を都に納めねばなりません。 東京都は、政府が緊急事態宣言を5月31日まで延長したのに伴い、5月7日から31日の間に休業・営業時間を短縮した事業者についても、第2弾の協力金を支給する方針です。1店舗50万円、2店舗以上100万円の支給金額など、内容は5月6日までの第1弾とほぼ同様の見込み。6月に開かれる東京都議会定例会で、関連議案が審議される予定です。 (取材・文:具志堅浩二)