札幌戦の後半はほぼ何もできず、J1で12位と低迷。問われる首都クラブの本気度【FC東京】
スタイルらしきスタイルが…
2023年11月25日、FC東京が今季のホーム最終戦を迎えた。札幌を相手にお馴染みの4-3-3システムで臨んだホームチームは、3分、D・オリヴェイラの絶妙なスルーパスから原川がシュートと、いきなり決定機を迎えた。 【画像】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「 J歴代ベスト11」を一挙公開! しかし、その後は札幌に攻め込まれる時間帯がしばらく続く。セカンドボールをなかなか拾えず、相手の軽快なパスワークに翻ろうされるような形だった。 18分に仲川が決定機を迎えるなどFC東京もチャンスがなかったわけではないが、いずれもカウンターから。ボールを繋ぎながら攻撃を組み立てていたのは札幌のほうだった。 アルベル体制下で迎えた今季の開幕当初、FC東京は「ボールを愛する」スタイルを標榜していた。だが、そのサッカーで結果を出せず、アルベル監督は途中退任。ポゼッションサッカーへの挑戦は中途半端に終わった印象がある。 アルベル監督の下でやりたかったのは、この日札幌が実践しているようなサッカーなのだろうと、記者席から見て勝手に思う。 監督がクラモフスキーに代わってから、球際の競り合いとスピーディな攻撃にこだわっているようには映るが、スタイルらしきスタイルがない印象だ。 実際、札幌戦の後半はほぼ何もできなかった。どう組み立て、どう崩すのか、そういう意図すら感じられず、51分と57分に失点。その後、巻き返す様子もなく、後半アディショナルタイムの90+4分に3失点目を喫して敗れた。 直近の4試合で勝ち星がなく、J1の33試合を終えて12位と低迷。戦力に見合わない現実を突きつけられたファン・サポーターにブーイングされるのは当然だ。 試合後のセレモニーで、森重は言った。 「本当にプロフェッショナルな仕事をそれぞれがしているのか。僕自身もまた問いかけながら、自問自答しながらその答を自分の行動、あるいはこれからの結果で示したいです」 スタイルすらぼやけている現状をどう打破するのか。首都クラブの本気度が問われる。 文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
【関連記事】
- 「自分はまだまだ。インパクトが少ないなって思っちゃう」酒井高徳が自らの存在意義について持論を展開「極論を言うと、400試合出ても…」
- 「日本代表の誰々ではなく、今なら『アーセナルの冨安健洋』のほうが何十倍も」酒井高徳が明かす“プロサッカー選手の価値”
- 「リアルな話をすると…」酒井高徳の答が意外すぎてびっくり。サッカーが遊びから仕事に変わったタイミングは?
- 「走れない闘えない努力もしない口先だけは立派な史上最低イレブン」刺激的な横断幕と大ブーイング。異様な雰囲気に包まれた大宮アルディージャの最終戦セレモニー
- 「俺はもうサッカーは一切見ない」中田英寿が指摘する現代フットボールの問題点「分かっていない人が多い」