北海道・奈井江の猟友会、クマ駆除への協力辞退 町の報酬「アルバイト以下」
【奈井江】空知管内奈井江町の北海道猟友会砂川支部奈井江部会(5人)は、町の委託を受けてクマ出没時などに対応する「鳥獣被害対策実施隊」の活動を辞退した。山岸辰人部会長(72)は「駆除に加えてクマの死骸の解体や焼却という1日がかりの作業で報酬額が最大1万300円と安く、協力は難しい」とする。町産業観光課は「隣接の砂川市と金額は同じ」と困惑している。 【動画】ヒグマが車両に突進 フロントガラス割れる けが人なし 根室 同部会は5月19日に実施隊への参加を辞退する旨の書面を町長宛に郵送し、町は21日に受け取った。 町産業観光課は4月下旬、鳥獣被害防止特措法に基づき、新たに鳥獣被害対策実施隊を設置することを奈井江部会に伝えた。昨年、町内の市街地にクマが出たことを受けた措置。報酬は町の要請で出動した時に基本的な日当として4800円、ヒグマ出没地周辺の見回りなどで3700円、発砲した場合は1800円をそれぞれ追加するとした。町はヒグマを箱わなで捕獲し、ハンターが銃で殺処分することなどを想定している。 山岸部会長は「事前の協議がなく、高校生のアルバイト以下の金額を提示された。ハンターが軽視されていると感じた」と憤る。町産業観光課は「協議の段階で辞退され、驚いている。課内で対応を検討している」と話す。