一般人には雲の上の存在!? 名門に多い謎だらけの「社団法人制ゴルフ場」 普通のコースと何が違うの?
そもそも名門ゴルフ場はなぜ社団法人制?
かつて社団法人は1種類だったものの、現在は一般社団法人と公益社団法人の2種類となっています。では、ゴルフ場は分化にあたってどのような対応を取ったのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。 「社団法人という制度は1896年に制定されましたが、設立の許可や公益性の判断などの基準が曖昧でした。そこで、社団法人に関するルールを統一するために2006年に公益法人改革3法が成立し、社団法人のゴルフ場は今まで通りの方式を踏襲した一般社団法人として残る、新たに設けられた公益社団法人に移行する、もしくは株式会社化の3択を迫られました」 公益社団法人は税制面で優遇を受けられますが、その名の通り高度な公益性が求められるため、プライベート倶楽部の運営には不都合が生じる可能性が大きく。認定のハードルも高くなります。そのため、会員同士のプライベート環境を重視する名門倶楽部として、そのほとんどが一般社団法人に移行しました。 ところで、由緒正しい名門ゴルフ場はなぜ社団法人制であることが多いのでしょうか。飯島氏は以下のように説明します。 「いわゆる名門倶楽部には、東京五輪の会場となった霞ヶ関カンツリー倶楽部や日本人が設立した最初のゴルフ場である東京ゴルフ倶楽部など、『関東七倶楽部』に含まれるうちの6カ所や、ほかには関西にも鳴尾ゴルフ倶楽部などがあります。今からおよそ100年前、日本に上陸したばかりのゴルフはあくまでも特権階級の人しかできない娯楽であったため、地元の名士や財界、政界などに身を置くような経済力のある人たちがお金を出し合い、自分たちの共有の遊び場として開発されました。昭和に入ってから開発されたゴルフ場のように営利目的でつくられたものではなかったため、社団法人制をとるようになりました」 会員権が市場流通していないなど、会員になるにはかなりハードルが高い社団法人のゴルフ場。ビジターとしてプレーしようにも会員にコネがなければ叶いません。しかし、所在地の在住者や在勤者向けに一般開放を行う機会もわずかながらあります。自分に応募する権利がなくても、知り合いに該当する人がいれば同伴プレーは可能なので、そうしたチャンスを狙ってみてはいかがでしょうか。
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