『おむすび』三宅弘城が語った“金を稼ぐこと”の難しさ 翔也の野球人生に最大の危機
『おむすび』(NHK総合)第59話では翔也(佐野勇斗)を悲劇が襲った。 愛子(麻生久美子)が家出したことで、聖人(北村有起哉)は1人で店を切り盛りしなくてはならなくなった。愛子の分も働く聖人は一日が終わるとへとへとになってしまった。 【写真】スコッチエッグを作る結(橋本環奈) 隠れてレシピを記録していることがバレた結(橋本環奈)だったが、立川(三宅弘城)に日替わりのメニューを考えるように言われる。条件は材料費200円以内。原口(萩原利久)の協力を得て、結は鶏ひき肉を使った「スコッチエッグの温野菜添え」を提案し、採用される。元書道部の経験も生かされ、日替わりランチも女性社員に好評だったが……。 第12週のタイトルは「働くって何なん?」。第59話では登場キャラクターそれぞれが働くことの意味を見つめ直した。社会人1年目の結は栄養士の仕事に理解のない立川が上司になった。苦労しながらチャンスを与えられるが、そこでまた別の困難に直面するというながれだ。 日替わりのオーダーが多く入ったことで、とんこつラーメンやカツカレーなど通常メニューが差し支えてしまった。社員食堂は福利厚生の一環であり、休憩時間に社員が食事をするためにある。結のメニューは作る時間がかかりすぎるため、他の料理の提供が遅れる。社員の休み時間は限られており、今後ランチでは出せないと立川は言った。
「ええか。働くっちゅうことは金を稼ぐちゅうことや」 筆者なりに解釈すると、働くことは人の役に立つことで、自分が好きなことを追求するだけでは足りない。誰かの役に立つから対価が発生するのであり、ニーズを満たせなければ、どんなに良いものでも役に立たなかったことになる。立川は社員食堂の責任者で、栄養バランスや原価のほかに食堂のオペレーションも頭に入れてメニューを考えていた。それは長年の経験と試行錯誤に裏打ちされたもので、金を稼ぐことの厳しさを結に伝えていた。 愛子がいない米田家では、陽太(菅生新樹)が聞き役になった。結の「働く覚悟が足りんかった」という言葉を聞き、陽太は自身の現状を打ち明ける。IT企業に就職した陽太はSEとしてバリバリ働いているように見えたが、実はただのアシスタント。現実は甘くなく、実力が全てで「もう辞めようかいな」と思っている。それでも歯を食いしばって耐えている。 新人社員の苦労が語られたが、一番深刻なのは翔也だ。肩関節唇損傷で投げると痛みが伴う翔也は、野球人生の危機である。同期で入社したキャッチャーの幸太郎(大原由暉)以外には伏せていたが、大河内(中山翔貴)に勝負を挑まれたことで怪我が知れ渡ってしまう。治すには手術が必要で翔也にとって大きな決断になるだろう。
石河コウヘイ