“ギータ2世”の知られざる逸話 周東以上の俊足、焼き肉は牛角…恩師が語る素顔
恩師が振り返る“青春”…「みんなに愛される、手のかかるヤツ」
今では笑い話だが、李さんの心配が後を絶たない破天荒な子だった。 「年末に一緒に食事に行った時も(横浜市内の)関内にジャージーで来ましたからね。『プロ野球選手なんだから、そういうところにお金使えよ』って言いましたけど、本当に変な贅沢とかしないみたいですね、福岡でも。事あるごとに話しているんですけど、本当に無駄遣いしない。だから、偉いなと思って」。そんな変わらない姿に李さんは安堵する。「焼肉は牛角がいいです」「食べ放題のサイドメニューが好き」という、おごることなく自然体なのが笹川の素顔だ。 1軍昇格が決まった時の行動にも、笹川の人柄が表れる。李さんは「今回も僕にも連絡してくれ、入団前からお世話してくれているSSKさんにもちゃんと連絡入れていました。SSKの担当者から僕に電話があって『ちゃんとこっちにも連絡くれて』なんていう話をしました。そういうところ、ちゃんとしているなと思います。そういう(お世話になった)人を邪険にしないというか……。そういう感覚、すごく大事だと思うので」と感心していた 笹川のことを「みんなに愛される、手のかかるヤツだった」と、愛情を込めて語ってくれた李さん。決して言葉にするのは得意ではないが、思いは強く、芯のある、心優しい性格だ。「ギータ2世」と期待される22歳の若鷹。心身ともに、チームを背負うポテンシャルを秘める選手だ。
上杉あずさ / Azusa Uesugi