カトリーヌ・ドヌーヴ、キアラ・マストロヤンニの母娘が強い感動を呼び起こした、カンヌ8日目の大階段
大階段8日目の5月21日、カトリーヌ・ドヌーヴが娘のキアラ・マストロヤンニとレッドカーペットへ。クリストフ・オノレ監督の『Marcello Mio(マルチェロ・ミオ)』チームの登場だ。 【写真】カトリーヌ・ドヌーヴとキアラ・マストロヤンニ、美しき母娘が揃ったレッド・カーペット クリストフ・オノレ監督のコンペティション部門作品、『マルチェロ・ミオ』が5月21日にプレミア上映された。このコメディ映画ではカトリーヌ・ドヌーヴとマルチェロ・マストロヤンニの娘、キアラ・マストロヤンニが自分の父親になりきる。カンヌ国際映画祭で前評判の高かった作品のひとつだ。『ロバと王女』など数々の名作に出演してきた名女優が自分自身を演じ、「2世女優」のキアラが1996年に膵臓がんで亡くなった父親を時におかしく、時に感動的に演じた。 『マルチェロ・ミオ』にはキアラ・マストロヤンニの元パートナーふたり、バンジャマン・ビオレとメルヴィル・プポーも顔を揃えた。他にニコール・ガルシア、ファブリス・ルキーニ、『フィガロに恋して』(2020年)のイギリス人俳優ヒュー・スキナーが出演している。1924年9月生まれの俳優マルチェロ・マストロヤンニは生きていれば今年100歳になるはずだった。偉大な映画一家に敬意を表したこの作品で、クリストフ・オノレ監督はクロワゼットのレッドカーペットでの存在感を示した。これは監督にとって『愛のうた、パリ』(2007年)、『ソーリー・エンジェル』(2018年)に続く3回目のコンペティション部門作品となる。
きらびやかなスターたち
5月21日にはもうひとつ、みんなが待ち望んでいたイベントがあった。オリンピックの聖火がカンヌに到着したのだ。オリンピックやパラリンピックの多くの選手の手で、聖火はレッドカーペットへ。2020年東京パラリンピック走り幅跳びフランス代表のアルノー・アスマニ、同男子トライアスロン金メダリストのアレクシ・アンカンコン、同女子カヤック銀メダリストのネリア・バルボサ、同女子ロードレース銅メダリストのマリ・パトゥイエ、そしてパリ2024大会組織委員会会長のトニー・エスタンゲ、柔道家のティエリー・レイ、バスケットボール選手のイリアナ・リュペール。最後はオリンピックダブル金メダリスト、400m走のマリー=ジョゼ・ペレクが、『ロッキー』のテーマに合わせて誇らしげに炎を掲げた。 ほどなくレッドカーペットはスポーツ界から映画界にバトンタッチ。スーツ姿のダニエル・オートゥイユと(『メリーに首ったけ』、1998年)、女優のレベッカ・マルデール、そしてゴールドのミニ丈ストラップドレス姿のマリーナ・フォイス。続いてシャルロット・カシラギ、ヴァレリア・ゴリノ。白いビッグシャツ姿のエマニュエル・ベアールの後、とうとう今宵の主役ふたりが登場した。カトリーヌ・ドヌーヴは、フルーツモチーフの刺繍をあしらったシャネルのつややかなブラックジャケットとパンツスタイル。キアラ・マストロヤンニはぴったりした総スパンコールのブラックロングスリーブドレスを纏っていた。ハイテンションのファブリス・ルキーニをはじめとした映画の共演者らに囲まれて、注目の母娘は終始控えめな態度でエレガントに振る舞い、だからこそふたりの感動がなおさら伝わってきた。
text: Augustin Bougro (madame.lefigaro.fr)