地震で“行き場を失った”被災地の農作物 農家仲間が販売会で支援
今回の地震で被害を受けた石川・珠洲市の農家を支援しようと、県内の生産者たちが販売会を通じた支援に乗り出しました。 【写真を見る】地震で“行き場を失った”被災地の農作物 農家仲間が販売会で支援 店頭に並べられている、ダイコンとカブ。そして、袋詰め作業がすすめられている玄米。これらは、今回の地震で契約先の飲食店や企業が営業を停止するなどして、行き場を失った農作物です。 小松市では25日、珠洲市の農家を支援するイベントが開かれました。 珠洲市の農家・瀬法司公和さん 「商品として余っていたものを買っていただけるだけでも嬉しいけど、実際にお会いしてお話できたりするのでそこを含めてありがたいし心強い」 イベントを企画したのは、瀬法司さんと同じ農家仲間で白山市の北崎友和さん。新たな販路を提供することで、被災地の農家にビジネスチャンスを見つけてほしいと期待を寄せています。 白山市の農家・北崎友和さん 「この先ずっと長くみんなはここで生きていかないといけないから、仕事を作って仕事を続けることを支援した方がみんなのためにはいいのではないか」 北崎さんは今月23日、珠洲市を訪れ瀬法司さんの倉庫に保管されていたコシヒカリの玄米400キロを運び出しました。 販売当日の25日、午前10時のオープンと同時に買い物客が次々と訪れます。 客「Q.自分らで作った野菜」 農家「そうなんです。ずっと畑に埋まってて」 客「美味しいよ、ほんなら。雪の下にあったんやし」 客「コメとダイコンととカブをお願いしたいです。私たちにできるのはこんなことしかないので…本当に頑張ってください」 店内では被災した珠洲の人気カフェが手がけたランチボックスも販売され、長い列ができていました。 買い物客 「珠洲のコメとか塩とかしばらく手に入らないと思ってたけど、珠洲のお米が手に入る!と思って」「こんな形で応援できるのは良いなと思って来た」 瀬法司さんの玄米は、予約分を含め販売開始からわずか30分で完売。 珠洲市の農家・瀬法司公和さん 「普段動ける範囲や活動できる範囲が限られている中で今回一つのきっかけとなって、今までとは違う場所や出会えなかった人たちと知り合いながら取引させてもらうのは嬉しかった」
顔の見える形で生産者と消費者を繋ぐきっかけとなったこのイベント。被災地では営農再開に向けた課題が山積する中、地元の農家たちは愛情たっぷりに育てた農産物の新たな販路を拡大するべく、将来を見据えた種まきを始めています。
北陸放送