「サイコーな日だぜ!」「私を覚えてる?」名ゼリフでたどる“マッドマックス・サーガ”!最新作『フュリオサ』にはどんな名ゼリフが?
巨匠ジョージ・ミラー監督がいまから45年前に生みだし、シリーズ3部作でカルト的人気を獲得。そして30年ぶりに復活した第4作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15)で全世界を熱狂の渦に包み込んだ「マッドマックス・サーガ」。その最新作となる『マッドマックス:フュリオサ』が5月31日(金)より公開を迎える。 【写真を見る】『怒りのデス・ロード』の“真の主役”フュリオサのセリフに込められた真意が最新作で明らかに 『怒りのデス・ロード』で観客をひときわ熱狂させ、“真の主役”と言わしめた怒りの戦士フュリオサの新たな物語を描く本作の舞台は、世界の崩壊から45年後。バイカー軍団に連れ去られ、故郷や家族、人生のすべてを奪われた若きフュリオサは、改造バイクで絶叫するディメンタス将軍と、鉄壁の要塞を牛耳るイモータン・ジョーが覇権を争う“MADな世界(マッドワールド)”と対峙するため、復讐のエンジンを鳴らす。 爽快痛快なノンストップカーアクションやケレン味あふれるビジュアルなど、ほかのアクション映画をも遥かに凌ぐ疾走感が最大の特徴である「マッドマックス・サーガ」。その物語にさらなる重厚感を与えるのは、思わず日常でも口にしたくなるような名ゼリフの数々。そこで本稿では、『怒りのデス・ロード』と最新作『フュリオサ』から記憶に残る名言をピックアップ。その“MAD(怒り)度”を計測しながら紹介していこう。 ■MAD(怒り)度0%!「V8!V8!V8!」 支配者イモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)が牛耳る砦“シタデル”で、彼に陶酔する全身白塗りの信者たちウォーボーイズが放つこのセリフ。彼らは環境汚染により身体を蝕まれ、寿命は通常の半分ほどしかない。そんな世界で彼らはジョーを神格化し、V8エンジン搭載車で彼のための名誉の死で魂が救われると信じている。ジョーと共に車に乗り込む際にもウォーボーイズは声をそろえて「V8!」と叫ぶが、その異様な様子はまさに世紀末。ジョーの一派がいかにMADな組織か、一目でわかることだろう。 ■MAD(怒り)度20%!「サイコーな日だぜ!」 『怒りのデス・ロード』でウォーボーイズの一人、ニュークス(ニコラス・ホルト)が砂嵐の中フュリオサ(シャーリーズ・セロン)を車で追いかけ、興奮がピークに達して発したのがこのセリフ。その後、彼はジョーの教えに従ってテンションMAXで特攻。ウォーボーイズの狂信さと、この世界がいかにイカれているのかをあらわす狂気のセリフだ。『フュリオサ』でもウォーボーイ軍団が登場するので、またしても“サイコーな日”が見られるか期待はふくらむばかり。 ■MAD(怒り)度50%!「狂気に取りつかれたのは、俺なのか、それとも世界か」 『怒りのデス・ロード』の冒頭で、主人公マックス(トム・ハーディ)がつぶやくこのセリフは、「マッドマックス・サーガ」の世界観を一言で体現したような象徴的なセリフでもある。虐殺、略奪、誘拐、独裁など、荒廃した世界で人々は狂気にかられ、人間の業が浮き彫りになるが、そんな世界で必死に生き抜こうともがくマックスの悲痛さがうかがえる。 ■MAD(怒り)度80%!「人生は痛いものよ」 こちらも『怒りのデス・ロード』から。ジョーに囚われていた女たちとシタデルを抜けだし“緑の地”を目指す道中、対峙したマックスの威嚇射撃が女の足をかすめる。そこで痛がっている際にフュリオサがかけたのがこのセリフだ。彼女らは長年捕えられており外の世界の厳しさを知らず、フュリオサがその過酷さを優しくも重い一言で諭す重要なシーンとなっている。(字幕版では「それが現実の世界」) ■MAD(怒り)度100%!「きっとたどり着ける」 『怒りのデス・ロード』の劇中でジョー一派に追われ、命がけのカーチェイスを繰り返しながら目的地を目指すがフュリオサ。長年の願望が手の届くところまで来ている時に、ふと口からこぼれるようにつぶやかれたのがこのセリフだ。幼いころに故郷“緑の地”から誘拐され、故郷へ帰ることを目標としているフュリオサ。絶望しかないような世界で一縷の望みにかけ、生き抜こうとする彼女の怒りが理解できることだろう。 ■MAD(怒り)度200%!「奪い返す!」 こちらは最新作『フュリオサ』からのセリフ。前作では語られなかったフュリオサの過去について詳しく描かれ本作では、誘拐され、母までも奪われた彼女の怒りが大爆発。すでに公開されている予告映像では、アニャ・テイラー=ジョイ演じる若かりし日のフュリオサが「奪い返す!」と言って車のアクセルを全開にし大爆走。このセリフに彼女の行動原理であるMAD(怒り)の気持ちが凝縮されているようだ。 ■MAD(怒り)度MAX!「私を覚えてる?」 最後は前作、今作ともに登場するフュリオサを象徴する一番の名セリフ。『怒りのデス・ロード』では、クライマックスで宿敵ジョーを倒す際の捨てセリフとして発せられ、幼少期からひどい目にあわされてきた彼女が仇に対して最後に吐き捨てることによって名シーンを生みだすこととなった。そして最新作『フュリオサ』でもまったく同じセリフが登場する。 若きフュリオサが仇に対してこのセリフをつぶやき、復讐を誓う。はたして“MAD度MAX”な彼女の湧き出る怒りはどのような決着を迎えるのか。登場人物の一言一言にありとあらゆる感情が詰め込まれた「マッドマックス・サーガ」。『フュリオサ』を観る際は登場人物たちのセリフの隅々まで注目しながら、怒涛のアクションと崇高なドラマを全身で感じてほしい。 文/久保田 和馬