【戸田ボート・SGクラシック】毒島誠が大会初制覇 SG8度目V
戸田ボートのSG「第59回ボートレースクラシック」は最終日の20日、最終12Rで優勝戦(1着賞金4000万円)が行われ、毒島誠(40)=群馬=が枠なり2コースから差し切って快勝。SG8度目のVを挙げた。クラシックは初制覇。2着は6号艇の平本真之、3着は4号艇の宮之原輝紀で、人気だった1号艇の吉川元浩は1Mで転覆。3連単は3万円超えの高配当だった。今節は4日目が強風のために6Rで打ち切りになり、発売レースが6個レース少なくなったにもかかわらず、6日間の総売上額は139億6618万6000円と目標額(140億円)をほぼ達成した。 【ボートレース獲得賞金ランキング 18日現在・表】
■ヒーロー ちょうど不惑を迎えたところにトンネルの出口があった。1月に40歳になった毒島誠が、2020年11月の蒲郡チャレンジカップ以来3年4カ月ぶりのSG制覇。表彰のステージで開口一番、「長かったです」。年に何度もSGを勝って当然の実力者にとっては長すぎたブランク。客席からも「待ってたよ」の声が飛び、会場全体が喜びに包まれた。 4日目が強風で7R以降が中止になり、5日目はほぼ無風の穏やか水面。しかし最終日は再び、強いホーム追い風。これが文字通り追い風になった。 「いい調整はできたが、優勝戦だとエンジンは劣勢だった。なので勝つなら、追い風がビュービューの水面かなと思っていた」 追い風なら加速が容易になるので機力差は縮まる。しかも、先マイした艇は風で流されやすいので、2コースに展開が向きやすい。「とにかくターンマークを回ることだけを考えて、しっかり回れた」。全てが思い通りに進み、一流の技術で一瞬にして差し切った。 SGを勝てない間は「自分にはもうチャンスがないのかな」と思う時もあったという。しかし、まるまるF休みだった2月を転機のきっかけにした。ジムや療法士の施設など3カ所に通ってじっくりトレーニング。そして休み明けの地元一般戦で11連勝の完全Vを挙げ、続けてSGまで制覇。「乗り方が変わった実感があるし、楽しみな一年になりそうです」 F休み中にはメンタル面も改革した。「変えた方がいいもの、変えないで続けるものを見つめ直した」。変えないのは「誰にも負けない仕事への熱量」。変えるのは「一点にばかり集中せず、客観的に見られるようにすること。(未制覇の)グランプリも、意識しすぎて見えなくなっている部分もあった」。 ボートレースの今年CMのキャラクターも言っている。「何も変えない方がリスキーだよ」。守りに入らず新たな自分を求め続けた先に、今年こそ黄金のヘルメットをかぶる瞬間が待っているかもしれない。(深堀慎一郎) ■プロフィル ◆毒島誠(ぶすじま・まこと)1984年1月8日生まれ。群馬県桐生市出身。桐生工高卒業。登録番号4238。2003年5月に桐生でデビューの92期。06年9月に鳴門で初V。GⅠは10年1月の浜名湖新鋭王座決定戦で初V。SGは13年9月にまるがめメモリアルで初Vを挙げ、今回を含め26優出8V。一般戦を含めた全成績は209優出77V。妻は福井支部の元レーサー池田幸美さん。162センチ、53キロ、B型。