4年ぶりに大数珠回す 長野県喬木村富田でコト念仏 万全の感染症対策施し
長野県喬木村富田で9日夜、国選択無形民俗文化財「伊那谷のコト八日行事」の一つ「コト念仏」が行われた。下区の南部防災センターには子どもから高齢者まで四十数人が集まり、大数珠を回して1年の無病息災を願った。 富田では毎年この日にコト念仏、翌10日にコトの神送りをする習わしで、コト八日行事は疫病よけを祈願するものだが、昨年までの3年間は新型コロナウイルスの感染拡大で中止してきた。 今年は4年ぶりに行ったが、コロナ感染が増加傾向にあり、インフルエンザも高水準となっているため、万全の対策を施した上で実施。全員がポリエチレンの手袋を着けて大数珠を握り、人と人の間隔をできるだけ空けるために立った状態で大数珠を回した。 久々に行うとあって、前段では詳しい住民2人が行事の歴史と意味を説明した。男性は「世界各地で戦争が起こっていて、多くの人が命を落としている。日本の平和、災害や異常気象による飢饉(ききん)が起きないことをお祈りして」と呼び掛けた。 富田ではコト念仏の後、例年なら直会(なおらい)があるが、今年は子どもに袋入りの菓子類、大人には清めの酒とつまみを「奉唱大念佛百万遍」のお札とともに配るにとどめた。