「高齢者の運転事故」糖質・塩分摂りすぎを疑え 「脳ドック」データでわかった意外な因果関係
■家事をする(とくにずっと奥さん任せだった男性) 掃除、洗濯(&洗濯物干し)、料理、食器洗い、ゴミ出しなど、家事のほとんどは立ち仕事です。しかも、多くは移動もともないます。わざわざ散歩に行かなくても、それなりに足腰は鍛えられます。そして、体を動かすことが白質病変の抑制につながることは、これまでの研究によって判明しています。 また、同居家族(そのほとんどは、男性から見た奥さん)との関係性が良くなります。もともと仲が良いケースも、可もなく不可もなしのケースも、明らかにうまくいっていないケースも、一方がそれまでしていなかった家事をすることで、家庭内の雰囲気は格段に明るくなるでしょう。
人とコミュニケーションをとると、脳が刺激され、幸福度もアップします。 ■道中や行き先で“ちょい足し”行為をする 買い物、通院、地域コミュニティ活動への参加など、なんらかの用事があって外出をする場合、その道中や行き先でひと工夫することを心がけましょう。このひと工夫とは、体に少し負荷をかけたり、脳に刺激を与えたりする行為のことです。 例えば、時間に余裕のあるときは意図的に遠回りをする。これで1日の歩数をわずかながらでも増やすことができます。あるいは、建物の上の階に上がる際は、エレベーターやエスカレーターではなく階段を使う。高齢者にとって、これはかなりいい運動になります。
運動が運転脳にいい影響を与えることは、すでに述べたとおりです。 ■質の高い入浴を心がける お風呂の目的は、体の汚れを落として清潔を保つことだけではありません。疲れを取ったり、気持ちを落ち着かせたり、リフレッシュさせたり、良質な睡眠を誘ったりと、さまざまな役割を担っています。 そのすべてが、運転脳をケアするための資本となる、体の健康維持につながっているのです。大げさではなく、効果的な入浴方法を身につければ、生活の質は大きく向上します。
疲労回復やリフレッシュを効果的に図り、安眠効果ももたらすのなら、38~40度のぬるめのお湯に10~15分。これがベストの基準になります。
朴 啓彰 :医師