「僧侶からの性暴力」 尼僧の告発受け天台宗が調査開始
「逆らえば地獄「逆らえば地獄に堕ちる」に堕ちる」
さらに鈴木さんは「カルトにおけるマインドコントロールを、まともな宗教団体は組織として認めない」と、カルトと宗教団体との違いに言及。「まともな団体と、組織体として教義上でそれを行なう団体とは区別して考えるべきだ」としたうえで「天台宗がこの訴えにどう対応するかで組織としての健全性が問われている」と指摘した。 記者会見では、叡敦さんが逃げられない心理に追い込まれた背景にはBの関与が大きかったとする説明が繰り返し行なわれた。 Bはどういう存在だったかを問われた叡敦さんは「絶対的な権力者、絶対的に帰依する人。1年前まで人間だということに気がつきませんでした。仏様に一番近い人だと思っていました」と語り、Bから「Aの言葉は私の言葉だと思って聞きなさい」と言われて従った背景を説明した。「とっても大きくて優しい存在だった仏様が、いつの間にか怖い仏様に変わっていました。逆らったら地獄に堕ちると、一般の方から言われたらそうでもないのかもしれないけれど、袈裟をかけた人に言われると、恐ろしいぐらい逆らえないものでした」と当時の心境を語った。 天台宗に求めることを聞かれた叡敦さんは「AとBの擯斥処分(僧籍の取り下げ)」だと明言した。佐藤弁護士は「天台宗を敵にしているつもりはない。この問題にきちんと向き合って、正しい対処をしていただきたいという気持ちがあるだけ」だと強調。懲戒いかんにかかわらず調査には第三者の目が必要だとして「第三者委員会を設置してほしいと申し入れている」と明らかにした。
小川たまか・ライター