TDKが「電池頼りの一本足打法」を卒業して進む、次の針路
TDKは電池事業に大きく依存する事業構造だが、足元ではセンサー事業やコンデンサーなどの受動部品事業も上向いてきている(撮影:尾形文繁)
電子部品大手TDK(6762)は今2022年3月期の業績が好調に推移している。1月31日に発表した2022年3月期第3四半期(2021年4~12月)は売上高1兆3938億5500万円(前年同期比28.3%増)、営業利益1392億3500万円(同29.5%増)と大幅な増収増益。2022年3月期の通期は、昨年11月と今年1月31日に業績予想を上方修正し、売上高1兆8500億円(前年比25.1%増)、営業利益1600億円(同43.5%増)としている。 これまで投資や開発など費用先行だったセンサー事業が黒字化してきたほか、コンデンサーなど受動部品の需要が電装化の進む自動車向けで大きく伸びている。とはいえ、足元で利益の過半を稼ぐのはスマートフォン向けバッテリーなどを手がける電池事業だ。 前2021年3月期通期の実績をみると、TDKの全体の営業利益は1115億3500万円。それに対し、電池事業の営業利益は1474億円と、センサー事業などの赤字を埋めるほどの依存度だ。高すぎる電池依存からの脱却や、センサー事業の黒字化や受動部品への投資など、TDKの今後の成長には何が必要なのか。石黒成直社長に事業方針を聞いた(取材は2021年12月24日)。
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劉 彥甫