MIKAが語る、日本と中国で移ろう情景、目指すべきアーティスト像
自分のクリエイティヴィティを発揮したかった
ー一部の楽曲の作詞作曲とアレンジに加え、全体的なクリエイティブディレクションを担ったそうですが、どんな経験になりましたか? MIKA:このEPで自分のクリエイティヴィティを発揮したかったんです。これまでの活動では、音楽面でもビジュアル面でも、あまり深く制作過程に携わることができなかったので、ここまで関わったのは初めての経験でした。まず音楽的にはダークでメロウな要素を押し出したかった。5曲が収録されていますが、ハッピーな曲はほとんどないですよね。ビタースウィートな曲が多いんですが、自分の心の奥にある感情が出た結果そうなったと思っています。それに応じて、ビジュアル面では、暗めの照明の写真やシルエットだけの写真を前に押し出し、一方で明るい照明の写真も出してコントラストをはっきりさせました。 ークリエイティブディレクションを担った経験によって、音楽活動の楽しさはどう変化しましたか? MIKA:楽しさより大変さの方が大きかったです。作品作りのすべてのプロセスにおいて決定権が自分にあることは初めてでしたが、僕はいろいろな国を飛び回りながら音楽以外の仕事もしています。その状況下で日々押し寄せる締め切りを守りながら、アートワークやミックス、すべてのことを満足できるクオリティのものにすることはすごく大変でした。結果的に満足のできる作品が作れたとは思っています。ただ、今回の経験によって自分が携わらなくても良い部分があることがわかったので、今後はもっとバランスよく制作を進められると思っています。 ー先日、韓国で「so I don’t forget」のパフォーマンスビデオを撮影したと聞きましたが、この映像にはどんな手ごたえを感じていますか? MIKA:家のようなシチュエーションでカジュアルな雰囲気で撮影をしました。これまで僕がやっていなかった方向性の撮影なので、新たな一面を感じてもらえる映像作品になったと思います。 ーパフォーマンスビデオでBTSのSUGAさんのバックバンドと共にパフォーマンスされました。どんな経験になりましたか? MIKA:彼らはSUGAさん以外にもたくさんの著名な韓国人アーティストと仕事をしています。そういう方々とご一緒できることにとても興奮しましたが、同時に緊張もしました。彼らの「so I don’t forget」のリアレンジはとても刺激になりましたし、今後の作品のインスピレーションになりました。いずれライブでもご一緒できたら嬉しいですね。 ー2024年の音楽活動についてどんなビジョンを持ってますか? MIKA:今回のEPではメロウな面を押し出しましたが、僕の音楽の嗜好はどんどん変わっていきます。次作では、ヘヴィなビートやグルーヴ感があるヒップホップやR&B、そしてアップテンポなポップナンバーが好きな面を見せていきたいと思っています。今はSZAやジャスティン・ビーバーをよく聴いているので、ああいった音楽スタイルの方向に行ってみたいんです。 EP『bleached』 絶賛配信中 ※3月12日(火)、MIKA YouTubeチャンネルにて「MIKA 米卡 - so I don’t forget (Live Performance Video)」が公開予定
Kaori Komatsu