女子シングルス１回戦でプレーする大坂（ロイター）

◆テニス　▽ウィンブルドン　第１日（１日、ロンドン・オールイングランド・クラブ） 　シングルス１回戦が行われ、女子は元世界ランク１位でパリ五輪代表内定の大坂なおみ（２６）＝フリー＝が世界ランク５３位のディアヌ・パリ（２１）＝フランス＝を６―１、１―６、６―４で破り、２回戦に進んだ。５年ぶりの大会出場で６年ぶりの勝利。２日に１歳になる長女・シャイちゃんに白星を贈った。２日の大会第２日は、男子で同９０位の西岡良仁（２８）＝ミキハウス＝が、同５０位のヌノ・ボルジェス（２７）＝ポルトガル＝に勝った。 　客席から飛ぶ「カモン、ナオミ」の声を背に、大坂が苦しみながらも初戦を突破した。最終セット終盤までもつれた接戦を制し、１８年大会以来６年ぶりの白星。「勝ててほっとしている。自分の成長につながると思う。私は夢を見ているみたい。みなさん、見ていて楽しい試合だったかしら？」と笑みを浮かべた。 　第１セットは、第１サーブからの得点率１００％と絶好調。相手に主導権を渡すことなく圧倒した。しかし、第２セット以降は流れが変わった。得意のサーブに対応され、片手のバックハンドから繰り出す多彩なショットに崩れる。立て続けにブレイクを許し、ミスから流れを失った。 　リズムを失って迎えた第３セットは「勝つには自分のテニスをするしかない」と自らに言い聞かせて臨んだ。１―３から３ゲーム連取で逆転。リターンで重圧をかけ、最後は相手のダブルフォルトを誘った。「うまくリターンできた。長い間、取り組んできたことがこの時期に結果に表れて良かった」とほほ笑んだ。 　昨年７月２日は娘のシャイちゃんを出産。病院のテレビで大会を見ていたという。「１年前は生きていくことだけを考えていた。夢みたい。私の娘、シャイちゃんが明日１歳の誕生日。まだ残れてうれしい」とピーターラビットの絵本とともに聖地での白星を贈った。 　２回戦は、世界ランク１７位のエマ・ナバーロ（２３）＝米国＝と対戦する。苦手とする芝は今回４度目の出場で、過去最高は１７、１８年大会の３回戦。「とにかくここではいいプレーがしたい。２回戦以降はアグレッシブにプレーしたい」と大坂。母親の優しい顔から選手の引き締まった顔へと戻り、復帰後の４大大会初の３回戦進出に全力を尽くす。