魔法使いアキット 唯一無二のパフォーマンス「魔法使いの頭の中~ひとりのコロボックル~」とは?
マジカルアーティストの魔法使いアキット(36)が14、15日、東京・渋谷区のエコー劇場で、ストーリーマジックライブ「魔法使いの頭の中~ひとりのコロボックル~」を開催する。このほど取材に応じた。 【写真】マジカルアーティストの魔法使いアキット 同パフォーマンスは単なるマジックショーではなく、ストーリー仕立てとなっている。「お芝居や絵本などを1本見ているような中で、マジックとパフォーマンスを繰り広げます」と説明した。 マジック監修はもちろん、脚本、演出、音楽、衣装やキャラクターデザインなども全て1人でこなし、10年前から取り組んでいる。「自分の心の中から描くものを1から作りたかった」とし「マジシャン仲間からは『いつ寝てるんだ』って毎回言われます」と笑った。 そのエネルギーの根源は自己探求にある。「自分が生まれた理由みたいなものを探っていて、それがエネルギーになっているのかもしれません」とした。 その一方で「ストーリーとマジックは本当に相性が悪い」とも話した。「マジックを見るのか、お話を見るのかで、マジックが特殊効果になってしまうんです」といい「マジックと自分が描きたいものを組み合わせるバランスが見えなくて、最初の3、4年は苦戦しました」と振り返った。「4年くらいして、やっと少しみえるようになった」と続けると「その時その時で、自分の人生で立っている場所を描くように表現ができるようになってきた」という。 観客の反応はさまざま。「作品によっては号泣している方もいます。子どもたちは楽しそうですが、大人は泣いていたりとかです。そういうのを見ると、ただマジックがすごいではなく、マジックが心に染み込む何かをしていたのかなとも実感しています」と続けた。 2年前、トランスジェンダーをカミングアウト。「それを公表する前の役が仮面職人で、顔から仮面がいっぱい取れていって、本当の自分がどれか分からないという怖い作品をやりました」という。「その時その時の自分の感情をそこに描いていて、ファンの方には人生を追いかけてもらっているような、たくさん起こる奇跡に付き合ってもらっているような感じがしています」と話した。 4歳からマジックを始めた。23年には公益社団法人日本奇術協会の特別賞を受賞。24年にはMAGIC ACADEMY AWARD 2024で「Magician of the Year」を受賞する実力派。「ストーリー性のあるマジックがお客さんの心を動かすということを、業界としても少しずつ浸透してきたような実感はあります」と手応えをつかんでいる。 「とにかく1度見てほしいです」と訴えた。「マジックは本当にすごい力があるんです。それを私は人生の中で見てきているので、マジックの力と私の人生をぜひ劇場に体感しにきてほしいです」と熱く語った。 また、初体験者には「全体を通して、マジックの不思議さとストーリーが融合するところを感じて欲しいです」とメッセージを送った。【川田和博】