新人アザラシの新技「すべり台」に歓声 おたる水族館
【北海道・札幌】連日暖かい日が続く北海道。観光名所には多くの人が集まる最高のゴールデンウイーク前半となっています。小樽の観光名所の一つ、おたる水族館(北海道小樽市)も例外ではなく、早朝から駐車場には長い列ができています。そのお目当ての一つが、今年3月にデビューしたばかりの新人アザラシ・マコちゃんの新しい出し物「すべり台」です。
3日で技を覚える“優秀な新人”
このマコちゃん、現在2歳ですが、生まれてすぐに保護されたゴマフアザラシです。他のベテランのアザラシに比べて、体も二回りほど小さく、若干まだ頼りない感じです。 マコちゃんの教育を担当している同水族館の飼育部海獣飼育課の徳山航さんは、「アザラシの教育で難しいのは「噛むのを止めさせること」だといいます。「指示を出すときに、練習では棒で指図するのですが、この棒を噛んでしまうのです。最終的には指で指図するようになりますが、その指を噛んでしまうこともあります」と苦労を語ります。
アザラシがショーに出られるようになるためには約2年の月日がかかります。もちろん、個体によって差はあるようですが、マコちゃんは、他のアザラシが習得に2週間ほどかかる技も3日ほどで覚えてしまう優秀なアザラシです。 「いまだに噛んでくることがあるんですけど」と笑う徳山さんですが、「長い間一緒にいるので、愛着はすごいですね。僕はマコが来てから、他の動物の飼育から外れて、マコ一頭専属のトレーナーになっているので、余計に可愛いです」と話します。
そのマコちゃんが、このゴールデンウイークに合わせて新技を習得しました。それが「すべり台」です。トコトコすべり台を登っていく姿は愛らしく、多くのお客さんも目を細めていました。そして、ストーンとすべり台を下りていくと大きな拍手が。子どもたちも「可愛い!」を連呼していました。 「今後は先輩ができる技をどんどん覚えさせたい」と徳山さん。マコちゃんの「すべり台」は、毎回のアザラシショーで楽しむことができます。そのほか、ゴールデンウイーク中のおたる水族館では、オタリアの『こいのぼり』演奏などのスペシャルイベントも開催されています。 (ライター・橋場了吾)