「出資」と「増資」その違いとは?
ここ数年、IT系ベンチャーなどを中心に、将来有望な企業が増資(ぞうし)するというニュースをよく耳にするようになりました。なかには出資(しゅっし)を受けてから、数年で増資するほど急成長を遂げる企業もあります。ところで出資と増資、どう違うのでしょう?
出資は創業期、増資は成長期の資金調達
出資とは、主に会社の創業期に必要な資金(資本金)を提供することを指します。企業は株と交換する形で、投資家などから資本金を集めます。投資家は株を手にすることで、配当金を受け取れたり、経営に関与したりすることができます。 いっぽう増資とは、企業が新たな株式を発行するなどして、資本金を増やすことを指します。新事業を立ち上げるときなど、さらなる資金調達の必要があるときに、会社の資本金を増やすことで資金を確保するというわけです。
増資と融資の違い
ついでに、増資と融資の違いにも触れておきましょう。 企業が新たな資金を調達する際には、増資のほか、融資を受けることも一般的です。増資は、将来的な利益を期待された資金提供であるという意味で出資と共通する部分が多いのですが、融資はあくまで借金です。 企業にとっては、増資は返済する必要のない資金調達、融資は返済しなければいけない資金調達という大きな違いがあります。 (伊丹治生:Sherpa/編集プロダクション)