「ソウルの春」のスチールカット（Plus M Entertainment提供）

　2023年に韓国で大ブームを巻き起こした歴史エンターテイメント映画「ソウルの春」が8月下旬から日本で公開されている。 ■『ミセン―未生―』『夫婦の世界』でも好演、パク・ヘジュンが語った『ソウルの春』【写真】 　韓国での年間観客動員数は20年のアカデミー賞で作品賞を受賞した「パラサイト 半地下の家族」を超える1,300万人以上の動員を記録した話題作。独裁者とも言われた大韓民国大統領が、自らの側近に暗殺された事件に端を発した1979年の「粛軍クーデター」を描いた。 　西日本新聞社と友好関係にある釜山日報社が、陸軍内の秘密組織〝ハナ会〟のナンバー2ノ・テゴン役を演じた俳優パク・ヘジュンにインタビュー。後の韓国大統領・盧泰愚氏をモデルとした重要な役をどう演じたのか。 　◆　　　◆　　　◆ 　「まるで演劇を観ているみたいな気がしました。大きな柱のような存在の方たちと一緒だったので、いつもよりも集中することができました」 　映画『ソウルの春』に出演した俳優パク・ヘジュンはこう語る。パク・ヘジュンは、陸軍内の秘密組織〝ハナ会〟のナンバー2にあたる9師団長ノ・テゴン役で、興味を引く演技を見せた。新軍部勢力の中心人物であるチョン・ドゥグァンの最側近として、重要な局面でいつもキーマンの役割を果たすノ・テゴンを、表情からセリフまでこまやかに演じている。 　「最初にリハーサルを何度も重ねました」と言い、「共演者のポジティブなエネルギーに良い影響を受け、一緒に進むことができた」と語った。 　映画『ソウルの春』は公開されるやいなや、俳優たちの好演としっかりとした演出が話題を呼び、速いスピードで観客を集めた。1979年12月12日に起きた軍事反乱をモチーフにした作品ということで、韓国近現代史への関心も高まっている。パク・ヘジュンが演じたノ・テゴンも実在の人物がモデルだ。 　パク・ヘジュンは、「キム・ソンス監督と初めて会った時はプレッシャーを感じていたけれど、話をするうちに少し緊張が解けた」という。そして「チョン・ドゥグァンが暴走機関車だとすれば、ノ・テゴンはスピードを調整する機関士のような人だと思いました」と説明した。 　本作の共演者たちに良い影響を受けたという。チョン・ドゥグァン役のファン・ジョンミンをはじめ、ハナ会のメンバーを演じたアン・ネサンたちと呼吸を合わせた。「撮影現場は楽しかった」「みんな演技のことだけを考えている人たちだったので、驚くほど集中できました」と振り返った。そして「気を引きしめて臨まなければならなかった」と笑ったあと、「思いもよらないアイデアが現場で出て驚いた」と明かした。 #エンタメQ ■ソウルの春「私という存在を確かにした」シーンとは？…パク・へジョンの生い立ち、名作ぞろいの出演歴は【関連記事】インタビュー完全版で