充実したオフトレが生み出した臼井麗香の「やる気満々」スウィングをプロが解説!【勝者のスウィング】
話を戻しスウィングを見てみましょう。アドレスではつま先寄りの重心位置ではなく足裏全体か、ややかかと寄りに見える立ち方をしています。4スタンス理論やTPIなど様々な分析により、スウィングは十人十色で構わないことが明らかになってきていますが、アドレスでの重心位置もつま先寄り、真ん中、かかと寄りと自分にマッチした位置を見つけることが重要です。
「今までは振ろうと思った許容範囲を超えて振っていたんですよ、大きめのスウィングで。今は小さく強くって言うんですかね、自分の可動域の出来る範囲でしっかり振ってるって感じです」と優勝会見で話した通り、“曲がるから振れなくなっていた”スウィングから“コンパクトなトップから体幹を使ってしっかりと振る”スウィングにアップデートしていることが見てとれます。 切り返しから下半身がグラつくことなく地面に圧をかけて踏み込み体幹部を回転させ、腕からクラブへと効率よく伝達されています。下半身に比べて上半身が弱かったので8割くらい上半身のトレーニングを続けていたとコメントしていたので、上下のバランスが取れて、コンパクトなトップでも安定してしっかりと叩けるスウィングを身に付けてきたことが感じられます。 優勝のコメントでオフのトレーニングの成果を挙げたのは、開幕戦優勝の岩井千怜、2、3戦連続優勝の鈴木愛、そして4戦目の臼井麗香選手と全員が口を揃えます。アスリート化の波は国内女子ツアーでも顕著に進行しています。 スウィングを安定させるだけでなく飛距離にも好影響を与えていますし、年間を通して安定した成績を出すためにはトレーニングを続けることは必須条件になっています。 体とスウィング、自信をつけた心と体技心が揃ったレイチェルこと臼井麗香選手に引き続き注目していきましょう。 写真/有原裕晶
プロゴルファー・中村修