地元メディアは開幕登板のマー君を無視?! その理由とは
ヤンキースの田中将大投手(27)が現地時間の5日のアストロズを本拠地ヤンキースタジアムに迎えての開幕戦に先発、6回途中で、昨年の新人王、コレアに同点アーチを浴び、続く4番打者のラスムスに四球を与えたところで降板を告げられ開幕白星を逃した。87球の降板後、リリーフ陣が崩れ、試合は3-5でヤンキースが敗れた。 気温2度で強風が吹く最悪のコンディション。しかも、前日の悪天候中止を受けて、スライド登板となっていた。それでも3回までは、フロントドア、バックドアという横の変化を軸に配球を組み立てたパーフェクトピッチング。4回の失点も、レフトのヒックスがアルトゥーベの打球の目測を誤ってツーベースとされたものがきっかけ。6回に昨季22本塁打を放っているコレアを相手に、スプリットが落ちないという失投をしてリードを守れなかったのは、エースとしてあるまじきミスではあるが、5回3分の2を投げて2失点で、最低の責任と言えるクオリティスタートは守った。 口うるさいニューヨークの地元メディアが、どう田中を評価するかが注目だったが、ヘッドラインで田中は取り上げられなかった。というのも、それ以上の事件が起きていたからだ。2-2で迎えた8回に投入されたベタンセスが、一死二塁から、コレアの一塁側に転がったあたりそこねのゴロを処理したが、その一塁への送球が一塁手の手が届かない頭上に大きく逸れて、その間に二塁走者が生還したのだ。実は、コレアがラインの内側を走っていたため、一塁手と重なったベタンセスが送球の困ったもので、ジラルディ監督が「守備妨害だ!」と、猛抗議したが認められなかった。ニューヨークタイムズ、デイリーニューズなど、各種地元メディアは、この場面をテーマにした記事を掲載したため、マー君に対する評価は大きな話題にならなかった。 ただ、MLBの公式サイトだけが、「ヤンキースが、田中の開幕スタートに勇気を与えられた!」とのタイトルで田中の投球を話題に取り上げ、「右腕は6イニングで気力を使い果たしたが、不確実な春の後に、本当にいい動きをした」と紹介した。不確実な春とは、昨年オフに行った右肘のネズミと呼ばれる小さな骨片を除去した手術により、オープン戦の防御率が7.39と悪かったマー君の不安と、前日の悪天候の試合中止をだぶらせた表現だろう。