京都国際学園高・西村投手

◇２３日　秋季京都府高校野球大会４回戦　京都国際２―３京都外大西（宇治市・太陽が丘野球場） 　今夏の甲子園で初優勝した京都国際が、４回戦で今春センバツ出場の京都外大西に延長１１回タイブレークの末、２―３で敗れ、来春のセンバツ出場が絶望的となった。 　今夏の甲子園で防御率０・００と快投した最速１４３キロの左腕、西村一毅（いっき）投手（２年）は立ち上がりに先制適時打されたあとは得意のチェンジアップやストレートで三振を奪い、追加点を与えなかったが、タイブレーク２イニング目の延長１１回に押し出し四球と左犠飛で２点を与え、味方打線は１点しか返せなかった。 　「初回は３人で打ち取ろうと思っていたんですが…。自分がチームを引っ張っていく気持ちだったんですが、足を引っ張ってしまいました」 　今夏の甲子園では背番号「１１」を背負っていた西村は、新チームのエースとなった。１７７センチ、６６キロの細身から繰り出すチェンジアップを武器とする。今夏の甲子園では新潟産大付との２回戦に先発で聖地デビューすると、３安打完封。智弁学園（奈良）との準々決勝は６安打完封。青森山田との準決勝では５回からエースの中崎琉生投手（３年）をリリーフして、５イニングを２安打で無失点。逆転勝利につなげる好投だった。関東第一との決勝ではタイブレークに突入した延長１０回表に２点を入れたあとに登板し、１点を奪われたものの、逃げ切った。甲子園では通算２４イニングを投げて１失点も自責点０だった。 　夏の決勝からちょうど１カ月。小牧憲継監督は「他の学校よりもチームづくりは遅れて、周回遅れという感じ。まだ野球になっていない。この負けを割り切って、来年の夏一本に絞って取り組み、力をつけさせたいと思います」と話し、西村は「この代でセンバツに行くことが目標でした。それができなかったのは力不足。点を取られない投手になりたいです。もっと周りが見えるように視野を広げていきたい」とショックを押し隠して、言葉を絞り出した。