英、早川書房社長に功労賞授与 イシグロ氏らの作品紹介に貢献
【ロンドン共同】世界最大級の書籍見本市「ロンドンブックフェア」は19日、世界の出版界に重要な功績を残した編集者らを表彰する「国際生涯功労賞」の授与式をロンドンで開き、英作家のカズオ・イシグロ氏らの作品を日本で刊行し、日本人として初めて同賞を受賞した早川書房の早川浩社長(81)に記念の盾が贈られた。 長年にわたり、イシグロ氏やアガサ・クリスティなど海外の文学を日本の読者に紹介したことが評価された。早川氏は「先輩の編集者や営業、若い人たちの努力のおかげだ。今後も『ONE AND ONLY(唯一無二)』をモットーに息の長い出版活動をしていきたい」と抱負を語った。 授与式では、早川氏と家族ぐるみのつきあいがあるイシグロ氏がプレゼンターを務めた。イシグロ氏は早川書房の貢献や日本の読者に謝意を表明。「2021年に東京や長崎を訪れる予定だったが、新型コロナウイルスの影響で中止になった。日本は特別な国であり、早く行きたい」と語った。次回作については「忙しくてまだ取りかかる時間がない」とした。