首位をキープするカープ。8月終盤に向けた戦いのポイントは?<OB笘篠賢治の視点>
8月14日、DeNAとのピースナイターでは菊池涼介のサヨナラ3ランで勝利するなど、16日時点で首位をキープするカープ。ここではカープOBの笘篠賢治氏が、カープの現状について、独自の視点で語る。 【写真】カープが誇る鉄壁の二遊間コンビ ◆“連戦の試合にしわ寄せが来ない”投手陣の層の厚さ オールスター明け、カープはヤクルトとのカードは負け越してしまいましたが、その後のDeNA、中日と連続で3タテ。続く9連戦を5勝3敗1分けと後半戦好スタートで首位を走っています。マツダ スタジアムでは地の利を生かして優位に戦えますが、しんどい夏場に東京ドーム、京セラドームと涼しいところでできたのは大きかったのではないでしょうか。 カープは今季8試合(16日が中止の為、9試合)も雨天中止があり、巨人や阪神に比べて5試合以上も多く残しています。最後まで試合を戦わなければならないので、どちらが良いとは言えませんが、カープにはまだ5勝の余地があると考えると、先に試合を消化する巨人や阪神はその分多く勝利数を重ねていないとプレッシャーになります。直接対決は特に負けられないので、意識してくることでしょう。 今季のカープは、巨人や阪神に対しても“戦いにくい”という意識はないはずです。阪神とは、やや差が開きましたが、打線の調子も上がり始め、中継ぎ陣もしっかりと立て直してきていています。昨季優勝のプライドと、岡田彰布監督の勝負どころを終盤に見据えた計算など、怖さはあるのではないでしょうか。また巨人も良い戦いをしていますが、ヘルナンデスが故障離脱したことに加えて、捕手の岸田行倫など若い選手も多く、経験値が終盤の戦いにどう影響してくるかだと思います。 カープの打撃陣を見てみると、坂倉将吾がオールスター以降、3本塁打と絶好調です。打席でもどっしりとしており、スイングバランスが非常に良くなっています。オールスターが良いきっかけになったのでしょう。また、ケガから復帰した末包昇大が本調子になれば、他球団には脅威になるはずです。 連戦の疲労が気になるところですが、先発陣も玉村昇悟、野村祐輔、森翔平らの踏ん張りで先発ローテーションに幅を持たせて戦えていますし、中継ぎ陣もハーン、森浦大輔、塹江敦哉、黒原拓未と左腕が充実しており、厚みを増しています。 20日からは8月2度目となる巨人、阪神との連戦が待っており、痺れる戦いが続きます。この勝負どころを取れば一気に優位に立てるので、もう一踏ん張りできるか期待したいです。
アスリートマガジン編集部