俺が選手だったら――降格危機の横浜FC、コーチ中村俊輔にあえて訊いた“心構え”「この一週間で選手として伸びるかもしれない」
「今までの33節よりも、大事な一週間にできるチャンス」
横浜FCにとっては、極めて厳しい状況だ。 11月25日に行なわれたJ1第33節の湘南ベルマーレ戦。残留争いの直接対決で0-1の敗戦を喫した。残すは最終節のみ。最下位の横浜FCは勝点29、17位の柏レイソルは同32。勝点3差だが、得失点差は“-12”。 【PHOTO】最後まで力の限り選手に声援を送った横浜FCサポーターを特集! 数字上では、J1残留の可能性はある。条件は、自分たちが鹿島アントラーズに大勝し、柏が名古屋グランパスに大敗した場合のみ、だ。現実的ではない。J2降格はほぼ確定――そうした見方は別段不思議ではない。 不屈と諦念。鹿島戦に向けて準備をする選手たちの心情は、複雑かもしれない。コーチとして指導にあたる中村俊輔が、選手たちに言葉をかけるとすれば、それはどんなことか。 「モチベーションを落とさずに。(鹿島戦までの)あと一週間、サッカーができる。みんなここまで頑張ってやってきたし...クラブのため、サポーターのためにプレーする。そういうことが、結局は最後、自分にはね返ってくると思う」 ――たとえば中村俊輔が今、現役なら、どういう心持ちで試合に臨む? 仮定の質問を投げかければ、元日本代表10番のレフティはこう応じる。 「もしかしたら、この一週間で選手として伸びるかもしれない。自分の感情をコントロールできずに流されて、ふわっとした一週間を過ごさないように。今までの33節よりも、大事な一週間にできるチャンスかもしれない。俺が選手だったら、そう考えると思う。最後の1試合で、33節分が全部ダメになる可能性がある。そういう心構えかな」 泣いても笑っても、あと1試合。すべてを注ぎ込みたい。 取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)