「斧で少なくとも11回、頭蓋骨陥没骨折するほどの力」 ブラジル人女性強殺で夫に無期懲役求刑 三重・鈴鹿市
去年5月の鈴鹿市で発生した強盗殺人事件の裁判員裁判=津地方裁判所(三重テレビ放送)
去年、三重県鈴鹿市でブラジル国籍の女性が殺害され所持品が奪われた事件で、強盗殺人などの罪に問われている女性の夫ら3人の裁判員裁判が29日に津地方裁判所で開かれ、検察側は女性の夫に無期懲役、長女の内縁の夫に懲役20年、長女に懲役15年を求刑しました。 強盗殺人と窃盗の罪に問われているのは、ブラジル国籍で女性の夫のプラテス・アルメイダ・デメルソン被告(50)。 強盗殺人の罪に問われているのは、長女の内縁の夫のハコザキ・ルカス・ハルユキ被告(24)。 強盗殺人ほう助の罪に問われているのは、長女のアイハラ・アルメイダ・キンベリ・カオリ被告(26)です。 起訴状などによりますと、デメルソン被告らは去年5月3日の夜、鈴鹿市内の路上で妻のアイハラ・アルメイダ・ロゼリさん(当時46)の首などを切り付けて失血死させ、財布などが入った鞄(かばん)を奪ったとされています。 デメルソン被告は事件の翌日、妻名義のクレジットカードを使って現金139万円を引き出すなどしたとされています。 長女のカオリ被告は現場付近で見張りをし、ロゼリさんの帰宅をデメルソン被告に知らせるなどしたとされています。 これまでの裁判で、デメルソン被告とルカス被告はいずれも殺意を否認し、カオリ被告は無罪を主張していました。 29日に津地方裁判所で開かれた裁判員裁判で、検察側は、夫のプラテス・アルメイダ・デメルソン被告(50)に対し「凶器の斧(おの)で妻のロゼリさんを少なくとも11回、頭蓋骨が陥没骨折するほどの強い力で攻撃し犯行態様は残虐で許しがたい」などとして、無期懲役を求刑。 長女の内縁の夫、ハコザキ・ルカス・ハルユキ被告(24)に対しては「被害者の鞄を持ち去るという強盗殺人罪の実行行為の一部を分担した」などとして懲役20年を求刑。 長女のアイハラ・アルメイダ・キンベリ・カオリ被告(26)に対しては、懲役15年を求刑しました。 一方、デメルソン被告の弁護側は「殺害の犯行を行ったのはルカス被告」などとして、強盗致死罪の懲役20年が相当と主張しました。 また、ルカス被告の弁護側も「殺人の共謀があったことが見当たらない」と、強盗致死罪のほう助にとどまるとして懲役7年が相当と主張。 カオリ被告の弁護側は「犯罪を行うとは知らなかった」などとして無罪を主張しました。 判決は12月16日に言い渡されます。