よく見れば「これぞ昭和」、1970年代の「素晴らしき瀬戸内海」の漁師町
人々がキャッチボールしたり、犬と戯れたりしているこの場所は、広島県三原市の漁師町。「メインストリートは住民にとって桟橋でもあり、庭でもあり、遊び場でもある」と1977(昭和52)年12月号の特集「素晴らしき瀬戸内海」は伝えている。左側の水路を下れば瀬戸内海だ。 ギャラリー:ナショナル ジオグラフィックが見た日本の100年 三原市沖をはじめ、瀬戸内海の大部分は瀬戸内海国立公園に指定されている。1934年3月16日に日本初の国立公園の一つとして誕生して以来、その範囲は徐々に拡大され、今では1府10県にまたがるまでになった。海域のほとんどは規制の緩い「普通地域」で、公園の外との緩衝地帯の役割を果たす。国土が狭い日本の国立公園は、人々の暮らしや産業との調整をしながら管理されている。 ※この記事はナショナル ジオグラフィック日本版2024年3月号に掲載されたものです。