内野手転向→二刀流→投手専念のソフトバンク5年目育成右腕、2軍戦で初登板初勝利「まずはそこのラインに立てた」高校時代は最速153キロ
◆ウエスタン・リーグ 阪神6―10ソフトバンク(1日、鳴尾浜) 今季、内野手登録から投手登録に切り替わったソフトバンクの小林珠維投手(23)がファーム初先発。5年目の育成右腕は5回8安打4失点ながら、味方の大量援護も受け、公式戦初登板・初先発・初勝利の〝初づくし〟となる1勝目をマークした。 ■タマスタ筑後、まっすぐな視線の先に―【写真】 「ピッチャーに転向させてもらって、こうやって先発にもやっと慣れてきて、2軍戦に投げられた。まずはそこのラインに立てたということは、僕の中でも収穫かなと思います」 そう振り返った小林は、北海道・東海大札幌高時代には最速153キロもマークした好投手だったが、2020年にドラフト4位で入団した後、すぐに内野手に転向。甲子園で内野手と投手で活躍した先輩の今宮健太と同様に期待されたが、野手ではなかなか結果が出ず、4年目の昨季、育成登録に切り替わって、投打の〝二刀流〟にチャレンジした。 昨季は3、4軍の非公式試合で、打者では91試合に出場して打率2割6分、6本塁打、11盗塁。投手でも36試合に登板して1勝3敗2セーブ、防御率3.31と、投打ともに好結果を残したが、小林自身の強い希望もあって、今季から投手に専念。打者ではウエスタン出場経験はあったが、投手としてはこれが初マウンドだった。 最速149キロをマークするなど、松山2軍監督も「真っすぐが強い」と評価。ただ、この日は変化球の制球に苦しんで、痛打される場面が目立ち「それはもったいなかったですよね。彼の一番の武器は150キロ出る真っすぐなので、それをもっと出してもよかった」と注文。それでも、4回までに8点を奪う大量援護にも守られ、初登板で初勝利をゲットした。 「ピッチャーとしてやると決めたんで、頑張らんといけないところ。自分の中でも、ここからだと思っています」と小林。新たなる野球人生のスタートを刻んだ「メモリアルウィン」といえそうだ。
西日本新聞社