元小結・阿武咲、28歳の若さで引退 青森・中泊町出身 幕内42場所、けが理由に
大相撲元小結で鋭い出足を武器に活躍した阿武咲(28)=本名・打越奎也(うてつ・ふみや)、青森県中泊町出身、阿武松部屋=は18日、日本相撲協会に引退を届け出た。18歳5カ月の若さで関取に昇進し将来を嘱望されたが、度重なるけがの影響で、土俵生活は12年、幕内在位42場所で幕を閉じた。19日、東京・墨田区の両国国技館で引退会見を開く。 阿武咲は東十両10枚目で迎えた11月の九州場所、右膝、右足首のけがが完治しないまま出場。12日目まで2勝10敗と成績は振るわず13日目から3場所連続、8度目の休場となった。来年初場所、約9年ぶりの幕下陥落が決定的だった。 東奥日報のこれまでの取材に阿武咲は「いろいろな病院に行ったが、手術しても復帰するまでものすごく時間がかかってしまうので」と引退の理由にけがの影響を挙げた。関係者によると、角界には残らない方向。 阿武咲は中里中時代に全国都道府県選手権で2連覇。三本木農高(現・三農恵拓)1年時の2012年国体少年個人を制し、同高を中退し角界に入門。13年初場所で初土俵を踏んだ。 176センチと上背こそないものの、下半身のバネを生かした低い姿勢から、瞬発力のある出足と突き押しでファンを魅了。新入幕の17年夏場所から3場所連続での2桁勝利は、15日制が定着した1949(昭和24)年夏場所以降では初の快挙だった。三賞獲得は殊勲1回、敢闘3回。 ◇阿武咲奎也(おうのしょう・ふみや) 阿武松部屋。1996年7月生まれ。本名・打越奎也。中泊町出身。三本木農中退。2013年初場所初土俵。15年初場所、新十両に昇進。16年夏場所、幕下に陥落するものの翌名古屋場所で再十両。新入幕の17年夏場所、10勝5敗で敢闘賞。続く名古屋場所と秋場所も10勝5敗で、1949(昭和24)年5月の15日制定着以降初となる、新入幕から3場所連続2桁勝利。2017年九州場所で新小結。序ノ口以来の通算成績は473勝422敗59休(71場所)。殊勲賞1回、敢闘賞3回、金星2個。