「読みたい本少ない」図書館の電子書籍に不満の声 「蔵書少ない」と市民 市教委は利便性アピール
京都市図書館が電子書籍の貸出サービスを始めて1年。2023年度だけで約5万点の貸出があったというが、どんな本が読まれたのか。貸出件数が多い書籍の人気ランキングを京都市教育委員会に聞いた。 【写真】こんな本はあるけど不満は多い
第1位は夏目漱石の「吾輩は猫である」。2位は太宰治の「人間失格」、3位は明治期の社会運動家、福田英子の「妾(わらわ)の半生涯」が続き、文学作品が上位を占めた。
4位には絵本「だめだめママだめ!」。5位はエッセー漫画「梅さんと小梅さん」、6位は探偵小説「赤い館の秘密」と、徐々にジャンルが多様化する。
7位は絵本「カーたろうとこけしっぺ」、8位は「100均グッズで簡単!手芸」、9位は「大人の最強雑学1500」、10位は漫画エッセー「生きづらいと思ったら親子で発達障害でした」だった。
一部の書籍は貸出回数に制限があったり、同時に複数人が借りられたりする場合があり、順位に影響している可能性もあるという。
市教委の担当者は「電子書籍がどんなものか試した人が、とりあえず目に付いた物を読んでみたケースが多いかもしれない。実用書の貸し出しも多く、幅広いジャンルを見てもらっているようだ」と印象を語る。
電子書籍を巡っては「いつでもどこでも利用できるので利便性が高い」「児童書のコンテンツも多数あるため、親子での利用もしやすい」との声が市教委には寄せられているという。一方、市民からは「蔵書が少なく、読みたい本が少ない」との不満も聞かれている。
市教委は利便性をアピールしつつ、本年度は予算を400万円と前年度(238万円)から増額してサービスの充実を図るという。