FRB0・25%追加利下げ パウエル議長 トランプ政権から要求されても辞任せず
【ワシントン=坂本一之】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は7日、金融政策を協議する連邦公開市場委員会(FOMC)で、主要政策金利を0・25%引き下げ、誘導目標を4・5~4・75%とすることを決めた。利下げは9月の前回に続き2会合連続。パウエルFRB議長は同日の記者会見で、トランプ次期政権から辞任を要求されても応じる考えがないことを明らかにした。 【写真】トランプ氏、財務長官の候補にJPモルガン・チェースのダイモンCEOを検討 パウエル氏は会見で、物価高問題に対するFRBの対応を批判してきたトランプ氏が大統領選で勝利したことへの影響について「短期的にはわれわれの政策決定に影響を与えることはない」と述べた上で、目標に掲げる「安定した物価と雇用の最大化」に向けて引き続き取り組む姿勢を強調した。 トランプ氏はFRBが9月の前回会合で0・5%の利下げを決定したことに関し「政治的な動きだ」と批判。8月にはFRBの金融政策に大統領が関与すべきだとの考えを示していた。 FRBは会合後に発表した声明で、雇用情勢について「今年の早い段階から全般的に緩和している」とし、人手不足の状況は改善しているとの見方を示した。失業率は「上昇したが低いままだ」と指摘した。 パウエル氏は会見で、労働市場を巡り「さらなる冷え込みは必要ない」と説明した。 FRBは、物価高を抑えながら景気後退を回避する「ソフトランディング(軟着陸)」を目指している。今回、物価上昇の伸びが鈍化する一方で、雇用環境が悪化する懸念もくすぶることから、堅調な経済を維持するため利下げを決めた。 FRBは、物価高を抑えながら景気後退を回避する「ソフトランディング(軟着陸)」を目指している。今回、物価上昇の伸びが鈍化する一方で、雇用環境が悪化する懸念もくすぶることから、堅調な経済を維持するため利下げを決めた。