パリ五輪日本選手団の旗手を務める江村美咲さん
トレードマークの金髪姿で、団旗の重みを受け止めた。「世界中の方々に影響を与える立場になる。支えられて今があること、国を代表する立場であることに自覚と責任を持ち、大会に挑みます」。5日に東京都内で行われたパリ五輪日本選手団の結団式で、フェンシング女子の江村美咲(立飛ホールディングス)は力強く宣言した。 父は元五輪選手、母も元世界選手権代表というフェンシング一家に育った25歳。五輪出場は、2021年東京大会に続いて2度目となる。22年、23年の世界選手権を制するなど急成長を遂げ、世界女王として迎えるが、「もっと強くなれる」と慢心はない。 日本選手団は主将を置かないため、旗手が日本の〝顔〟となる。東京五輪で男子エペ団体が金メダルに輝き、パリ五輪でも自身をはじめとして活躍が期待されるフェンシング界から旗手に選出されたことに、「自分でいいのかと思ったが、フェンシングにとっても、いい機会になる」と大役を請け負った。 昨年の杭州アジア大会でも旗手を務めたが、入場の際に表情が硬くなってしまったといい、今回は「笑顔で」と決めている。 今夏の開会式の舞台は、セーヌ川。「どんな世界が広がっているか、ワクワクしている」と声を弾ませる。「今までお世話になった方々の顔を思い浮かべ、感謝の気持ちをもって、堂々と歩きたい」と意気込んだ。(久保まりな)