舌打ち、貧乏ゆすり、悪口…レストランで目に余る彼氏の言動に「命の恩人でも無理」「なんで付き合った?」と厳しい声
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、“レストランでの言動が目につく彼氏”を描いた漫画『全部やる人』をピックアップ。 【漫画】自己中でマナーの悪い彼氏とレストランで食事する話に「嫌なことのフルコース」「見事に全部やりやがった」の声 作者である漫画家のヒロ・コトブキさんが、2024月2月10日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、5.6万件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事ではヒロ・コトブキさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。 ■彼氏の目に余る言動に、彼女は別れを切り出すが… 物語は、1組のカップルが街の小さなレストランに訪れるシーンから始まる。彼氏である男性は、ドアを開けるなり店全体をキョロキョロ見回し、彼女の入るスペースを作らずドアの前に立ちふさがる。 その後店員が案内する席をスルーして「こっちでもい?」と反対側に進み、席に着くなり「しょんべ」とだけ言ってトイレへ直行。しかし使用中だったため、トイレのドアノブを一度ガチャガチャと回し、舌打ちをしながら席へと戻った。 そして彼女に見えない角度でメニューを吟味し、店員さんがやってくると自分が先に注文。彼女はメニューが逆さまの状態で慌てながらナポリタンを注文すると、「あそこナポリタン食ってたけどマズそうだったぞ?」と告げる。 そしてトイレから水の音が聞こえるとすかさず向かい、“待っていた感”を漂わせながらトイレの前で仁王立ち。席に戻るや否や「ここハズレっぽいな」と吐き捨て、厨房のカウンターに料理が置かれる度に自分のものかを確認し、違っていると足を揺するのだった。 その後も店員への横柄な態度や、マナーの悪い行動などを続けていく男性。その様子を見かねた彼女は、色んな気持ちが込みあげてきて「別れましょ」と切り出す。すると男性は「は?仕事うまくいってねえの?」と機嫌の問題だと思い込む。 そんな彼氏に対して、彼女は“別れたい理由を全部説明してもきっと伝わらない”と考えてると、ふいに涙がこぼれ出してしまう…。この感情が何なのか分からない彼女に、男性は「大丈夫大丈夫」と言って頭をポンポンするのだった――。 本作について、ネット上では「男性、最後まで分かってないじゃん」「命の恩人でも無理」「されると嫌な言動、コンプリートしてる(笑)」「見事に全部やりやがった…」「こいつとなんで付き合ったん?」「嫌のことのフルコース」など、男性に対する厳しい意見が寄せられている。 ■“嫌なことを全部やる男性”は「嫌ったり呪ったりしないというルールのうえで描きました」 ――『全部やる人』を創作したきっかけや理由があればお教えください。 この漫画は珍しく「こういうのを描こう」と思って描きました。僕の中でそういう“やってしまう人”の細かな行動のあるあるデータが頭のてっぺんまで溜まったので、作品にしようと思いました。 ――本作では、“嫌なことを全部やる男性”が自分の言動を一切自覚していない点が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。 僕自身は、“全部やる男性”を嫌ったり呪ったりしないというルールのうえで描きました(実際もそうです)。地球というテーマパークの“人間ランド”の1コーナーを静かに切り取ったような感覚です。 ――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。 「この全部を説明しても、きっと伝わらない」というセリフが大事なところだと思います。彼に“悪意がない”ということと、その“悪意のなさ”こそが致命的なんだという要素が短く詰まっているためです。 ――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか? 生活の様々な部分から得ているとしか言えないんです、ごめんなさい。だけど脳みそのスイッチを“漫画脳”にしていないと、うまく繋がらない気がします。 ――ヒロ・コトブキさんの作品は、それぞれ共感性や笑える要素が満載で、非常に読み応えを感じました。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか? 出てくる人の多くは何かが欠落していたりするんですが、僕は全員のことがとても好きです。それは大体が僕だったりするので(笑)。 ――今後の展望や目標をお教えください。 もっと漫画を描いている時間にあふれた生活がしたいです。「どこかであの方の作品と一緒に連載できたら…」とか「書籍化されて、あの娘やアイツの近所の本屋さんに並ぶことができたら…」といつも妄想しています。そしてそれが実現されるように動こうと思います。 ――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします! お返事を書けない時は、「ごめんなさい」と思いながら次の作品を描いています。できるだけ間を空けずに、できるだけたくさん仕上げることが僕からのお返事だと思ってもらえると幸せです。勝手でごめんなさい。