「老後ひとり暮らし」心を病む人病まない人の差 自分の思うままに生きる「スナフキン」に学ぶ
ですから、将来のことも見据えて、別のコミュニティにも所属して、徐々にアイデンティティを変化させていくことが必要です。 おひとりさまが心の壁を越えるために必要なのは、自分はここにいてもいい、と所属欲求を満たすことができる場所です。 ■ちょうどいい距離感の人間関係の作り方 おひとりさまが所属するコミュニティを探すときの条件はたったひとつ……居心地がいいことです。 それさえ満たしていれば、どんなものでもかまいません。
その場所を自分自身が好きであるかどうか、居心地がよいかどうかを重視してください。家族でも仕事でもないのに、イヤイヤ人間関係を築くことほどストレスになることはありません。 では具体的にどんなやり方があるか、いくつかヒントを紹介します。 ・近い友人、知人を大切にする 人がもっとも孤独を感じるのは、どんなときだと思いますか? ある研究では「言葉の通じない知らない町をひとりで歩いているとき」だとされています。
部屋にひとりでいるよりも、知り合いのいないパーティに放り込まれて手持ち無沙汰にしているときのほうが、強い疎外感を感じますよね。つながっている他者と、たったひとりの自分を比べてしまうからでしょう。 新しいコミュニティに飛び込んでいくのもいいことですが、その前に、いま周りにある友人・知人関係を見直してみて、関係が途切れないようにすることをおすすめします。 特に年代の近い友人や知人は貴重な存在です。結局、なんでも話せて信頼できる人は、同年代の友人や、付き合いの長い知人だったりするものです。
子どもは、世代も違えば価値観も異なるので、意外と理解し合えないことがあります。親のプライドのようなものがちらついてしまう人もいるでしょう。 江越先生もこう言っています。 「最終的に患者さんの心を治療するのは時間。でもそのときに、一緒に食事をしたり励ましたりしてくれる友人がいれば、居場所が感じられて治りが早くなります」 ひっそりと胸に抱えた思いを誰かに聞いてほしいとき、本当にありがたいのは隣で「そうだよな」とお茶やお酒に付き合ってくれる友達なのです。