軍事化進む南西諸島の呼びかけに全国連帯 「日本の戦場化NO」
軍事要塞化が急進する南西諸島で、基地反対運動に取り組む住民らが、同じく基地の強化や弾薬庫の新増設が計画中の九州や京都府の住民団体にも呼びかけた「全国を戦場にさせない!東京行動」の集会が、6月27日に東京の衆議院第一議員会館で開かれた。 2022年の「安保3文書」改定を受けて打ち出された日米一体の大軍拡化では、各地で基地司令部の地下化や強靱化、民間空港・港湾の特定重要拠点化などの「戦争準備」が進む。危機感を抱いた島々の住民らは今年3月、反対運動の全国連帯への手始めとして、陸上自衛隊駐屯地の開設から1年経った沖縄県石垣島で〝プレ全国集会〟を開催。これが初の試みとなる今回の院内集会につながった。 この日は陸自のミサイル部隊が配備または計画中の与那国島・石垣島・宮古島・沖縄本島(以上、沖縄県)・奄美大島(鹿児島県)のほか、日米共用の軍事基地化が急ピッチで進む馬毛島(同県西之表市)関係者、さらには福岡・大分・京都の各府県から計10の住民団体が参加(オンライン含む)。各代表が、基地があることによる戦争への恐怖や怒り、暮らし破壊の実情などを、相次いで訴えた。石垣島からは長射程ミサイル配備への懸念、宮古島からは下地島空港の軍事利用、台湾に近い与那国島からは有事の際の九州避難計画、奄美大島からは「欠陥機」オスプレイの市街地上空飛行、などの実態が報告された。 来場した国会議員も加わる形で政府側に問題点を指摘したが、各省庁からの回答は具体性に乏しく、参加した住民たちには苛立ちも。集会の実行委員会事務局を務めた藤井幸子さん(「石垣島の平和と自然を守る市民連絡会」事務局長)は「このままでは日本各地が戦場化する。みなさんの自宅近くにミサイル基地や弾薬庫がつくられたら黙っていますか。全国民の課題です」と話した。
土岐直彦・ジャーナリスト