「伝統の味を引き継ぎたい」火災に遭った今治の老舗カツ丼店“たつ” 西条に復活
5月10日、愛媛県西条市にカツ丼店「道(みち)」がオープンしました。 店を切り盛りするのは、新居浜市在住の福田高広さん(48)と、妻の恵子さん(46)。 【写真を見る】とろとろ卵×揚げたてカツ×デミグラス 大人気のカツ丼 そして恵子さんの母(72)が、2人を後押しします。 恵子さんの母は今治市内で長年、夫とともに「お食事処 たつ」を経営してきました。その当時の映像には、この時高校生だった恵子さんがカツ丼をほおばる様子も。「たつ」には、今治市外からも訪れる客が多かったそうです。 しかし-。2019年10月10日、「たつ」の店舗兼住宅が全焼。恵子さんの父・悟さん(当時68)が帰らぬ人となりました。43年にわたり愛され続けた「たつ」は、閉店を余儀なくされました。 ■老舗の味を引き継ぎたい- その後、高広さんはずっと「たつの味を引き継ぎたい」と考えていました。一方、妻の恵子さんは、子どもの頃から手伝いが嫌だったと振り返り「絶対に店は開かない」と決めていたといいます。 高広さんは、新居浜市と西条市にある空手道「福田道場」の師範で、過去には日本代表として世界大会にも出場した経験があり、今も現役で活躍する空手家。 飲食業の大変さを知っている恵子さんの母も「商売は二足の草鞋を履くほど簡単なものじゃない」と、店を開くことには反対していました。 しかし、最後は高広さんの熱意が勝り「道」のオープンへとつながりました。 恵子さんの母 「ほんとは余生楽しもうと思ってたんだけど、もうひと踏ん張り頑張って教えていこうかなと」 ■長年の経験を娘夫婦へ 恵子さんの母は、毎日今治から西条までバスで通い、店の手伝いをするとともに、長年培ってきた経験を高広さんや恵子さんに伝えています。 ―――もう安心して高広さんに任せられていますか? 恵子さんの母 「まだですね(笑)」 福田高広さん 「最初を作れって言われたらできるけど、継ぎ足しになるとちょっとまだ難しく…。お母さんに教えてもらっています」 ■とろとろ卵×揚げたてカツ×デミグラスソース 大人気のカツ丼 店には定食やカツカレーなどのメニューもそろいますが、特に人気なのがカツ丼。ご飯の上に出汁の効いた半熟の卵と揚げたてのカツ、そしてデミグラスソース。この組み合わせは「たつ」の時から変わらず、大人気です。