ザック・スナイダー監督 インタビュー 『REBEL MOON ― パート1: 炎の子』原点回帰、映画青年の夢の続き
R指定ディレクターズ・カットにも期待せよ
スナイダーにとって、この『REBEL MOON』は自身初の2部作。これまで『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004)や『ウォッチメン』(2009)など、数々の作品でディレクターズ・カットを発表し、長時間のストーリーテリングを重視してきたが、最近は上映時間と物語の関係について「以前よりも少し敏感になってきた」という。「今回が2部作になったのは、実質4時間の映画を2つに分けたから」なのだと。 『パート2: 傷跡を刻む者』のあと、スナイダーとNetflixは2部作それぞれのディレクターズ・カットを配信する計画だ。いわく、現在のバージョンはあくまでも一般向けで、ディレクターズ・カットはオリジナルの構想が炸裂した「ハードなR指定」になるという。 「夏にリリース予定のディレクターズ・カットは、それぞれ1時間ずつ長い3時間の映画。暴力描写も性描写も激しい、オリジナルのアイデアに忠実なバージョンです。僕は最初からハードなR指定のSF映画にしたかったので、Netflixの提案を喜んで引き受けました。一般向けをつくるよう強要されたわけじゃないですよ(笑)。映画を2バージョン同時につくり、観客に異なる体験を提供できるのは、面白く、かつ賢明なやり方だと思います」 『REBEL MOON』は、この映画2部作とディレクターズ・カット以外にも、小説版やコミック、ゲーム、ポッドキャスト、アニメなど複数のプロジェクトが同時進行中(小説版『REBEL MOON パート1: 炎の子』は日本でも12月22日に竹書房より発売)。いよいよ、ここからザック・スナイダーによるまったく新たなユニバースが始動するのだ。 ちなみにスナイダーによれば、スピンオフ・シリーズ化の可能性が話し合われているのは、マザーワールド皇帝・バリサリウスの過去を描く前日譚。「なぜ彼は、宇宙のキング・ダディ・バッドガイになったのか(笑)。その背景にはナポレオン・ボナパルトからインスピレーションを受けた、移民から皇帝に成り上がるまでの物語があります」
文 / 稲垣貴俊
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